表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/105

踏破セヨ輝キノ龍、天ヲ衝ク機王ノ産声 其の十九

正月どころか節分過ぎって……………申し訳ない


白状しよう。俺は今回七種の回復アイテム以外の物もインベントリに突っ込んでいる。


一つは、HPMP状態異常身体欠損の全てを回復する『フェイクエリクシル』。


もう一つは最上位の職業に転職する為の『情報結晶・機動』だ。


フェイクエリクシルはまあ、大抵の場合使わずにゲームを終えちまうことを皆一度は経験していると思う。この際使えるものは全て使うのでどこかで使おう。


問題は、転職アイテムだ。最上位の職業は、メインサブ共に上級職である状態で転職アイテムを使用して現在の職業を『統合』する。これが厄介で統合したら職業スキルも統合され、素材の職業及びその下位の職業に就けなくなる。


恐らく元のスキルは残ったままだろうけど分解はできず、元に戻す場合はレベリングのやり直しである。


うん。軽いな!


まあ所詮MMORPGなのだ。時間さえあれば取り戻せる。再度の就職不可なんてされたら堪らないが。貴重な青春?ナニソレワカラナイ。


随分余裕だなって?


バフが剥がれきって達観してるだけだ。現在落下中でスキルも打ち切ってる。


地面まで五秒ぐらいか?


エーテル差し込むのに一秒かかるから四秒で転職済ませないと死ぬな。


一秒、インベントリから『情報結晶・機動』を取り出す。


二秒、握り砕く。


三秒、情報をロード。


四秒、転職完了。


そして五秒。


「エーテル起動!」


落下の速度を殺しつつ着地。


『沈め』


重力波、ステータス画面を開きつつ回避する。



Name:ファケリー ヴァイス

Lv80

種族:煌星心機人種

メインジョブ:機動戦姫(ギアヴァルキュリア)

サブジョブ:なし

所持金:5000zark

SP:0

ステータス

HP:150/200(実数値250)

MP:4/50

STR:100

AGI:150

VIT:15

DEX:90

INT:50(実数値100)

LUC:25


スキル

『機動戦業』

•『ブースト』→『光禍速』(加速距離上昇、リキャストタイム破棄、有害物質の排出)

•『チャージ』→『過重収束(オーバーチャージ)』(威力上乗せ量増加、多重発動可能)

•『翡砲龍穿』

•『蒼砲連波』

•『緋砲命灼』

•『機走破』

•『臨壊機動』

•『暴双閃』

•『刻弦舞踏』

•『命脈踏破』

•『唯天月』

•『相生連斬』

『採掘Lv10』

•『一心不乱』

『基本踏破術』

•『グラビティシフト』

•『ハイジャンプ』

•『ショックコンバート』

『心眼』

『双鶴橋流』

『必滅魔弾♯1』(再統合中。使用可能まで五分)



おい待て。


必滅魔弾(切り札)が再統合中ってなんだよ。


スキルはチャージとブーストが強化されたのと閃と砲が統合されて戦業になったぐらいか。


他は……体が軽いな。俺の隠されし力が覚醒したとかそんなんじゃ無くてステータス的に。内部データが転職で変わったのか?


とはいえ、アテにしてた切り札が五分使えないのか。


『小癪なァ!!』


心象的にはスキルでなし回避なんて面倒だけどな……(現在MP残値4…いや装備のリジェネで回復して5)



予備動作的に属性は風、氷、光か。なら簡単だ!


杖を起点に発生する光を右に2歩動いて避ける。


氷柱落としは心眼に出ないから見てから回避、ステータス的にも安心出来ない。


風は逆に完全に心眼頼りだ。まあ正確すぎる自機狙いは逆に避けやすいな、ホーミングも無いし。


避ける避ける避ける。


成程、所詮はトカゲ。大して上層のクソ共と変わらないじゃないか。


むしろ発動の起点が一つしかない分やりやすい。ステータスさえ足りればどうということはない。


『貴様、動きが……!』


「無駄口なら地獄でどうぞ?」


やる気出すだけで変わるものだな。


むしろ今までがおかしかったんだ。


コイツの攻撃はどれも掠るだけで死ぬだろう。でも所詮はゲーム、現実の爆撃のように爆発とその余波でダメージを与えるわけではなくあくまで銃弾のように当たらなければ意味はない。余波があるならそれこそ攻略不可能だ。要は一々スキル使ってまでオーバーに避ける必要は無い。避けることは一歩ズレるだけでも出来る。


最期の最後まで全力で死にに逝くぐらいの覚悟で殺るだけだ。


風跳躍後一歩前に炎雷体伏せて前進氷ひたすら前に。


鎌二つもストックの代わりに動く。


あと数歩の所まで肉薄する。


『こちらに寄るなァ!』


お断りだ。


ジェリンドは杖をフルスイング。


「『臨壊機動』ォ!」


『堕天聖邪』を腕に纏いさらに前に。杖を振るう前に懐に入りきり胸の宝玉まで接近。ここが弱いのは肉質調査済みだ。


「『命脈踏破』!」


鎌で二閃。砲と一体化した腕を押し付ける。攻撃スキル無しだと少し貫通には足りなさそうだ。


「『蒼砲連波』」


『ガァアアアァァァァアア!?』


そのまま反動で退避。


インベントリから回復セットを取り出す。


『…………成程。侮っていたらしい』


「何を今更」


さっきと言ってることほとんど変わってねえぞ爬虫類。それしか言えんのかこの蜥蜴ェ!


まだ形態変化を残していたらしい。残り体力は何割だろうか?


…………あと二分で必滅魔弾解禁。


『我は存外生き汚いらしい。貴様と戦うまで使おうとは考えなかったぞ、コレは』


特殊ボイスかな?


『コチラも全力で戦わせて貰うぞ、機械の王よ!』


うん?どこから来たよその呼称。


『我が過ぎ去りし栄光に希う』


……不味い。


直前の疑問が吹っ飛ぶレベルだ。


ジェリンドというエネミーは、予備動作はあれど詠唱は一度たりとも使っていない。


溜めて緋砲ぶっぱなすのが最適解だ。


でも……


()()()()()()()()()()()()()()()()()


スポーツマンシップなんて崇高なものではない。


必殺技潰して勝つより撃破した方が脳汁ヤバいに決まっている。


『眼を星に、翼を空に、血を海に、骨を陸に』


コチラも全力で相手しよう。


これ以上無粋な言葉は挟むまい。


『冠の真名()紡勝(ほうしょう)


『唯一至高の光を以て、』


『遍くモノに灼き刻め』


龍皇之(Another)廃冠光(Dracrown)


インフルエンザに罹って執筆時間を調達しました()

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ