踏破セヨ輝キノ龍、天ヲ衝ク機王ノ産声 其の十八
今年はこれで最後です。来年は勢いに任せてストックを放出しないようにしたいです。
回避回避回避。
ジェリンドが杖を振るう度、視界が赤く染まる。
氷、雷、闇、光炎雷、闇氷、風光、重力炎。
あくまで既存パターンの組み換えでありスキルを打ち切らなければ負けはしない。
だが。
「『臨壊機動』ォ!」
『よく避ける』
奴は嗤っている。
まだ何が残ってるから余裕なのか、このまま押し切れそうだからか。
光闇、風、炎氷、重力闇風、光雷。
当たらなければどうということはない。そして、当てればそのうち勝てる。
現在のステ振りはそんなコンセプトだ。だからこそ。
『届かない』。
属性纏いをしなくなったため、攻撃は通るようになった。しかし、ブレス以外の長射程攻撃を使用し、多人数レイドを想定した濃密な弾幕によって攻撃にスキルが回せない。
「『機走破』、厄介な………」
声に出さずには居られない。
デスサイズの攻撃が出来ないためMPが足りない。
デスサイズの攻撃をあてるため接近にスキルを使うと離脱用のスキルが残らない。
残り回復は3セット。MPリジェネを腕に叩き込んで回避。
『リソース切れか?』
ブーメラン刺さってるよクソ。
回復切れたら殴り殺し……
全体攻撃で身代わり潰されたのが不味かったか?
スタン中に仕留め切れないのが駄目だったのか?
『緋砲命灼』で相殺せざるを得ない状況になる時点で詰んでいたのか?
事前準備、装備の性能不足?
……………いや、違う。
こんな思考してる時点で勝てるわけねぇだろ。
無理、出来ない、プレイミス、詰み?
馬鹿らしい。そんな思考回路は切ってしまえ。
装備はこれでベストだろ。
『緋砲』で相殺出来たのはメリットだ。
スタン中に属性纏いを吐かせたんだ。もっと消耗してからならその時点で詰んでただろ。
全体攻撃は『切り札』を切る前に無駄打ちさせた。
回復?する暇あったら殴り殺しちまえ。
濃密な弾幕?多人数を想定したなら穴だらけだろ安全地帯なんてつくる時点で弾幕張る側としては三流だ。
過去の自分に喧嘩を売っちまえ。
『ヒットアンドアウェイの陰キャ戦術で勝ちました』?馬鹿らしい。死ぬ時は死ぬんだ。どうせなら派手に逝こう。
無理だと思ってる間は一生無理だ。
「エーテル起動、『ブースト』」
上に翔ぶ。
多分未来の俺も過去の俺も頭を抱えるだろう。
『終いだ、墜ちるがいい!』
ステータスを開いて俺は_____________
良いお年を。




