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熾源の斬獲者 其ノ弐


「とりあえず感想戦でも?」


「分かりました」


お互い黙ってるとちょっと気まずいので会話を続ける事にした。


「統合スキル使用後の魔法って自作ですか?それとも自動生成?」


「自作です」


「フリスズギャルヴ以外は初見でもわかる名前なのどうにかするべきでは?」


「フレイムソードとかバインドチェーンみたいな直球よりはこちらの方が幾分かマシでは?完全にオリジナルの言語で組むのも考えましたけどそれだといざと言う時にパッと口から出せる自信がないので」


うーんそれもそうか。


「それもそうですね、そういえば最後に使った指輪ですけどアレって夏にあったって言うイベント報酬ですか?」


「そうですね、発生が早いのとダメージがINT依存、あとノクバが大きいので重宝しています。一度見せたら意識せざるを得ないですし」


あーそういう外付けの攻撃手段も決闘じゃ強いんか。サブウェポン扱いの拡張パーツとか色々あるけど機人種用はゴチャついてて邪魔くさいのも多いんだよなぁ、ジェリンド相手は固定ダメージ無いと火力足りない可能性あった上に回復手段に乏しいからドレインのデスサイズまで付けてカツカツだったけどアレ脳みそ疲れるし、一瞬だけ起動すればいい指輪型とか欲しいなぁ……


「当機と戦っていて気になった点とかは?」


「そうですね……あなたのステータスでAGI型相手に大剣はオーバーキルでは?あと切り替え式の武装なのに近接だと剣使うより刀使ってましたよね」


「大剣に変形させたのは手癖ですね、矯正を試みます。刀の方は剣聖上げてる最中なのでそこはご容赦を……一応大剣でも低倍率とはいえ刀のスキルも使えるので噛み合いは悪くないと思うんですけど……」


「剣聖……スキルは作れるんですか?」


「ええ、一応」


「じゃあ二刀流のスキルも作っといた方がいいのでは?」


「……結構リソース管理カツカツなんですよね今、とりあえず片手で使えるスキルぐらいは考えておきます。それより先に抜刀術の型から作りたいんですけどどっち優先するべきなんですかね?」


「うーん……今回使ってた構えのステータス補正どうなってるんですか?」


「STR、AGI補正と特攻値……2回目以降の攻撃でのダメージ倍率のさらに上乗せですね」


『晶龍』の型は言わば適応の型、斬れば斬るほど相手に適応しダメージが増していく特性がある。


「先に殺すスタイルなのに抜刀術って受け寄りの型と聞きますけど必要ですか?いちいち鞘に刀を収める隙もバカにならないでしょうし」


「そもそも刀のスキルに普通の剣術と抜刀術がちゃんぽんされてる現状がおかしい気がしますけど……」


「あー……こちらも槍のスキルが斬突投に防御までごちゃ混ぜですし『刀を使うスキル』『槍を使うスキル』で一括りにされてるっぽいんですよねここの仕様」


そういえば初期ジョブからして加速と砲撃が混ぜられてたな……


「抜刀術ですがスキル作る時にちょっとかじった感じだと一々鞘に収めるっていうディスアド背負っているのもあってステータス倍率がバカにならないんですよね、構えの持続効果も一瞬なので一撃特化の印象です」


よく言えば達人向け、悪く言えば1発芸だな。


「抜刀術使った後に別の構えに移行って出来ます?それなら今のスキル構成も無駄にならないハズですし」


あーそういやそれもそうか、律儀に刀振り抜いた後に納刀までいちいちする必要もないわ。


「それ採用で……」


「あとダメージ受ける度に電撃と呪怨系状態異常飛ばしてくるアクセサリーなんですあれ?というかサブウェポンとかつけてないですけど補正値特化のアクセサリー構成なんですか?」


『カラフル』はこの前の神殿侵入時にNPC殺しかけたりのてPvEよりPvP向けっぽいな、呪怨系ガチャで相手のアクセサリーでの耐性抜く可能性もあるし。


「あれば特典で、剛腕と豪脚と精密動作ついてるのでつけてます。それとSTR依存で状態異常弾く腕輪足輪首輪の装飾品とMP回復の動力炉と飛行ユニット、最後にこのゴーグルで5枠ですね」


「道理で一撃が重いわけで……PvPよりPvE意識の構成ですか?ボス狩りとかだと強そうですけど対人では包帯以外は小回りが効きづらそうに思います」


それはそうだな。まぁ……


「ステータスでゴリ押せば勝てるのでまだビルドというか装備を弄る必要性感じてないんで大丈夫だと思います、この手の構成がメタられるようになってからそのメタをメタり返せすのが一番やりやすいと思います」


メタられる側にいる間は強いし負ける気もないんだわ。


「強者の思考ですね……」


「ハイ、お二人とも?ご歓談の所悪いですが里の茶屋に集合する時間ですわよ?」


パンパン、と手を叩いてルナテックがこちらに注目を向ける。


「では残りはお茶でも飲みながら」


「そうしましょう」


まぁファケリーのアバターはお茶飲んでも意味ないんだけどな。








「おー来たねぇ」「おせーぞ」


茶屋にはお姉さん、れなに加えて向こうの大陸まで行って帰ってきたであろうレーズンとガルザークもいた。更に見知らぬ少女達も3人。


「前回居なかったネオニートの分際で偉そうですわね……」


「こちらがお二人の?」


「そうですわよ」


「『大魔導師グランメイガス』のMercuryデース、よろしくデース!」


明らかに魔法職な感じの黒いローブを着た青色の髪の少女が切り出した。


「『魔聖名医マジカルドクター』やらせて頂いてるるしふぁーでェす、よろォ〜〜」


聖職者系の衣装の金髪の少女が続ける。


「『超付与術士オーバーエンチャンター』の珠王すおう めいです……ど、どうぞよろしく」


最後に……全体的に装備がチグハグな印象を受ける紫の髪の少女が締める。


「……前衛は?」


「サンライズさん以外いませんわよそんなの────冗談ですわ!刀を納めて下さる!?」


「ウチで前衛やってカンストしてるのは私だけです」


待て、お前ら普段全体バッファー、単体バッファー、ヒーラー、魔法アタッカー、両刀アタッカーでパーティー回してるの?


「パーティープレイする都合上回復やバフは魔法便りなので魔法に寄せた方が効率がいいのですわ」


「タンクは……?」


「うちのクランの別働隊にはちゃんといますわよ、貢献度の問題かなかなかレベルが上がらないようですわね」


うーん世知辛い……






「じゃあ会議に入りますわ、仕切るのはわたくしで宜しくて?」


「文句なーし!」「ガルザークがそういうならいいよ〜」「いいよぉ」「構わない」「いいですよ」


「では進めて行きますわね、最初に、『セフィロト』が同時に使えるスキルとかの数、幾つだと思います?」


「普通に10だろ」


とガルザーク。名前がセフィロトだしな。


「このゲーム性格悪いし22じゃないかねぇ?」


お姉さんが続ける。こっちはセフィラを繋ぐ小径が由来か。


「ダァト込みで11では」


俺も意見を出す。


「発狂モードでクリフォトになるから20説を提唱する」


最後にれな。


「どれもありそうですわね……ストック数は?」


「10or11で新しいの手に入れる度に一つ変換では?戦闘中にストックと切り替え始めたら勝てませんよ」


半ば願望が混ざっているがゲームバランス的にはこれであって欲しい意見を口にする。


「ストック自体は無制限の可能性もありそうだねぇ」


お姉さんが最悪の可能性を口にする。いや勘弁してくれよ……


「レベル5ぐらいにつき一つストック数増えるとかは?」


ガルザークが発言する。ワンチャンありそうな増え方だな……


「つまり最大20ですわね…………うーん……個人的には11説とストックは無しを推したいですわね」


「根拠は?」


サンライズが問う。


「11の方は勘ですわ」


「マスターの勘はヒャッパチュヒャクチューデース」


「まァ〜持ってる人間なのは確かだよねェ〜」


クランメンバーのマーキュリーとるしふぁーが言うならそうなのか……?


「ストック無しには根拠があるので?」


「部位破壊で弱体化ってこういうゲームの常じゃないですか」


「見ればわかるってことですか」


「このゲームの強いボスはあからさまに弱点晒している事も多いですから」


ジェリンドは……頭の宝石自体はガッツリ見せてたな。


「まぁ会ってもいないボス相手にこんな論議をしても仕方ないですわ、どう戦うか決めますわよ」




「飛べて回避タンクも出来るファケリーちゃんはいいけど、正直1人でヘイト誘引するにも限度があるからガバ1つで積みかねないよぉ?」


「oh!!ファケリーさんは飛べるのデースか!?」


「ええ、まぁ」


「オレがHP極振り、ダメージ肩代わりと挑発以外にスキルを持ってないモンスター大量に連れてきた、今アルカエストにテイムモンスターのHPが瀕死まで減ると控えと交代するアイテム作らせてるから被弾については気にする必要はないぞ」


これがネオニートの力か……


「るしふぁーちゃんだけパーティー抜けて空いた枠にファケリーちゃん入れれば?その方がダメージ出せるでしょ」


「レイドだしアタシがパーティーに入ってる意味は薄いからそれでいいよォ〜」


「チャージ連打し続けてボス部屋に入ると同時に砲撃ぶち込みましょうか?」


「それだけで倒せたら楽なんだけどねぇ……」


ただ、急所が無いナイトメアリスの例がある上にクソ鶏みたいに回避される可能性もあるんだよなぁ……


「身代わりモンスターと血染彼岸花でMP無制限にしてからタコ殴りが丸いと思考する」


れなが殺意高めの回答を出す。


「前回は結界張っててスキル使えてなかったもんね〜」


「…………」


笑いかけるレーズンに対してれなは反応無し、もしかしてスキルブッパしたいだけか……?


「つまるところ」


ルナテックがまとめにかかる。


「高度な柔軟性を維持しつつ適宜適当な対応を取るということでよろしいですわね?」


「「つまり行き当たりばったりじゃねーかだよねぇ!?」 」


多分大陸で相当準備してきたであろうガルザークとお姉さんブチ切れた。


そりゃそうなるわ……


まるで……まるでストーリーが進んでいない……!



マーキュリー:VRゲームをやるべくアメリカから留学してきた行動力の化身。元から日本のサブカル好きではあったがVRゲーム内では現実で普及している翻訳機が使えないと聞き大急ぎで習得した過去を持つ。言動に反してめちゃくちゃ賢い。


大魔導師グランメイガスは特殊上級職、サブには賢者を入れている。


るしふぁー:なんか全体的にふわっとしている少女。太らないゲーム内でスイーツを食べまくった結果状態異常を発症した。医者の不養生ここに極まれり。


魔聖名医マジカルドクターは『名医』(ポーションや包帯などのアイテムを駆使するヒーラーである医者系上級職)と『聖魔の境界(僧侶と魔法使いのの両方を取得している状態で就職できる上級職)』の統合上級職、サブには上級祓魔師ハイエクソシストを入れている。


珠王 冥:自己紹介以降一言も発していていない子。引っ込み思案で他力本願寺御本尊みたいな性格。


超付与術士オーバーエンチャンターは特殊上級職。サブには上級ハイ魔法弓士マジックアーチャーを入れている。

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