堕ちし██、熱き██ 六の巻
マスターデュエルにここ半年の人生を破壊されていたので初投稿です……
『壱の構え『晶龍』及び奥義『頂刻龍閃』承認しました。剣聖(戦機流)へのジョブチェンジを実行します』
『Guooooooooo……』
んーようやく終わった。
巨大な紅いイノシシの首に突き立てていた剣を引っこ抜く。
俺とルナテックは、絶望回廊の下見に来ていた。
「50層でこれですか……30層のボスの方が強かった気がしますよ」
血塗れの刀を振って血を飛ばしてから鞘に収める。
「100層のボスがパーティーメンバー全員がカンスト前提の難易度だとしたらそこまで到達するのに疲弊しすぎる難易度にはならないでしょう。30層のアレは……まあ相性ですわ」
30層のボス『穿孔潜航 ディープダイバー』は……魔法必須とも言うべき性能であり物理アタッカーの俺とバッファー寄りのルナテックではクソほど時間を奪われた。逆に50層のボスだった『猪突撃震 ブルホヲン』は比較的素直な性能であり速攻でカタがついた。
「これ、消耗が少ないボスが出るまで再走する羽目になるんじゃないですかね」
「魔法アタッカーのギルドメンバーも呼んでいるので余程のクソボスを引かない限りサクサク進行だと思いますけど……80や90辺りのボスがどれぐらいの塩梅かにもよりますわね」
「そうですね……ステータス確認するので少々お待ちを」
Name:ファケリー ヴァイス
Lv100
種族:煌星核機人種
メインジョブ:機動戦姫
サブジョブ:剣聖(戦機流)
所持金:900zark
SP:0
ステータス
HP:200/200
MP:50/50
STR:100
AGI:215
VIT:15
DEX:100
INT:50
LUC:50
スキル
『機動戦理』
•『真界超越』
•『過剰収束』
•『翡砲龍穿』
•『蒼砲連波』
•『緋砲命灼』
•『機走破』
•『暴双閃』
•『刻弦舞踏』
• 『天絶星断』
•『相生連斬』
•『戦令起動』
『採掘Lv10』
•『一心不乱』
•『削岩剛腕』
『基本踏破術』
•『グラビティシフト』
•『ハイジャンプ』
•『ショックコンバート』
『心眼』
『鶴橋術・真』
『刀技(戦機流)Lv8』
・天火の心得
・壱の構え『晶龍』
・『焦光』
・斬撃が闘気を帯びが飛翔する。
・『晶刃』
・刃に闘気を纏い刃渡りを伸ばす。
・『閃虹』
・斬撃を最適な属性に変更する。少しの間斬撃が残留する。
・奥義『頂刻龍閃』
『魔弾悪魔』
『神託全書』
『全壊死動』
・『終壊焦動』
・『憤怒魔王』
『』
『魔弾悪魔』
詠唱『我が魔弾は涙を撃ち抜く』
HP、MPを全て消費する代わりに事前に調整した魔弾を使用可能。登録できる魔弾は7種類まで。
『憤怒魔王』
詠唱『我が炎は涙を焦がす』
HP及びHP上限がマイナスになっても行動可能。熱暴走加速。全ステータスに高倍率補正。
デスペナルティの時間が10倍化、その期間中のHP最大値は1で固定。
『神託全書』
完全予知。
よし、順調に刀技のレベルは上がってるな。早目に『業』、出来れば『理』まで上げたいが……
「どうします?行けるところまで行きますか?」
「あの人に主力装備を全て渡した貴方と違って私は普通に主力装備ですから損傷しても困りますし辞めておきますわ。行くなら1人でどうぞ」
「それなら当機もやめておきます」
「では解散という事で……後日になりますが1つお願いをしても?」
「今回は両方とも特典を頂きましたし構いませんよ、当機にできる範囲であれば」
「ありがとうございますわ。お願いですが──────」
「────はい、それぐらいであればいいですが…………確約は出来ません。よろしいんですか?」
「ええ、ちょっと最近目に余るのでお灸を据えて頂きたいのですわ」
ルナテックとは別れたが、晩飯まではまだ時間がある。消耗品のダンジョン脱出用アイテムで隠れ里まで戻って来たところをヤマちゃんに捕まった。
『そういえば』
屋敷でお茶とお菓子を出されて雑談をする事になった。外のユニークボスの情報とか教えてくれるし馬鹿にならないんだよなヤマちゃんとのお茶。
「なんでしょう」
『外はどうなってるんだい?戦争で天帝が死んだらしいけど』
普段は世捨て人気取りのヤマちゃんもそこは気になるのか。
「1度双神殿に不法侵入した際に次期天帝らしい子には会いましたよ」
『わぉアウトローロール……うん?次期天帝?』
何か引っかかるようにヤマちゃんが反芻する。
「はい、あと巫女長なる人物に騙されてたり絶影?にも殺されかけました」
『そっちも興味深いけど……天帝は基本的に自分が信用できる後継者を次期天帝として指名しとくんだけど、代替わりしたのは最近のはずなのにもう次代を選定したのかい?』
「その手の仕様は貴方の方が詳しいでしょう」
『そうだったね。コホン、各国家のNPCはある程度成長パラメータが設定された状態で生まれてくるけど、国ごとのバランスが崩れないように上位の数値の子は大体みんな同じ数しか生まれないように設定されてるんだよね』
まぁ頭数の多い大国には微妙に補正入るけどね、と付け足してからら続けた。
『んで、特殊ジョブ『天帝』は私がロックしたから基本的に最高値に近い子じゃないと就職できないようになってて、現天帝は相手のパラメータがそれに叶ってるかわかるようになってる』
『その子幾つぐらいだった?』
「見た目は当機と同い年ぐらいでした」
『うーん、長命種の可能性もあるけど不自然だなぁ……代替わり失敗したのかな』
「公表されてないだけで天帝は生存しているとか?」
『それならいいんだけど、だったら死んだ事を公表した意味が分からないんだよねぇ……次代の設定さえ終わっていれば特に何もせずに譲渡できるはずだし……』
『天帝側が不具合起こすようなロックをかけた覚えは…………まさかね?』
「なんですその顔は」
と言っても包帯で顔が見えないほでどんな顔かは分からない。しかし包帯越しでもわかる『やっべやらかしたかも?』の雰囲気である。
『私が『天帝』に仕掛けたロックは
・ヤマト所属のNPCとの交戦及び殺害禁止
・自害の禁止
・『天帝』のジョブの譲渡以外による退職、転職
・戦争以外でのヤマトの国土の外への進出の禁止
だ』
「それがどうかしたんですか?マトモに生きてたらロックに引っかかるような事起きないでしょうしそもそも天帝は戦死したんですよ?」
『マトモに生きてたら、そしてマトモに死ねたらその通りだ』
「なんですその言い含みは」
『クエスト発令だ、報酬は弾むけど……勿論受けてくれるよね?』
いつになく真面目な声音で眼前の包帯─────否、第一天、ヤマト・スメラギはそれを口にした。
『クエストを受注しました』
クエストネーム『廻り巡る天帝』
発注者:ヤマト・スメラギ
推奨レベル:100over
クエストクリア条件:『天帝』の代替わりを成功させること。
報酬:???(クエストの達成方法によって変動)




