プロローグのようななにか
見切り発射だ!
とあるチャットルームにて
閃:β当たったぜ(゜∀。)
蝕:βもらいました
霞:ハズレた
霞:悲しい
閃:晩御飯が美味しくなりそう
蝕:今日はいい夢見れそうですね
閃:他人の不幸は最高のおかず、はっきりわかんだね。
霞:『規制されました』
霞:あ゛さあほはとりむまほめるはもさた『霞さんが退室しました』
閃:これはパソコン叩き割ったか?
蝕:スマホブン投げただけでは?
閃:というかなんだよ貰ったて
蝕:いや、ほら、パパンとママンが関係者ですのでね?
蝕:一台貰ったんだって言ってました
閃:汚い
蝕:5分の1当てた貴方も大概だと思うのですが?
閃:単発星五よりは確率高い
蝕:この前出ただけに反論しづらいです……
閃:は?
蝕:○○(スクショ画像)
蝕:おりゅ????
閃:おりゅカスタヒね
蝕:ド直球で草
閃:今回に限れば霞と手を組むのもやぶさかでは無い
蝕:手のひらクルックルワイパーすぎませんか
蝕:それに貴方さっきまで霞のことおりゅして煽ってたでしょう
閃:心に棚を作るって素晴らしいな
蝕:私倒したあと後ろから刺されそう(KONMAI感)
閃:しょご………(無念)
蝕:そのしょごりゅうに背中刺されたのサモソなんですけど(困惑)
閃:俺明日刺されるの?
閃:せめて美少女に刺されて死にたいわ
閃:野郎に刺されるのはちょっと……
蝕:明日は負け組の夏休みを煽り散らかしますか
閃:それは賛成
蝕:それではお休みなさい
『蝕さんが退室しました』
閃:さっさと寝ろよ〜
『閃さんが退室しました』
ゲーマーなら誰もが憧れたフルダイブ型VRMMORPG。
『Phantasm Wars Online 』
そのβテストに俺、篝火 閃が当選したのだ。機材一式が届くのは来週、それまで興奮して夜しか寝れそうにない。
スマホをしまい、部屋から出て一階のリビングに向かう。
「明、姉貴、βどうだった?」
明は妹、姉貴は本名『篝火光』。姉と妹に挟まれた3人姉弟。因みに全員金髪碧眼。母がクォーターとはいえお父さん遺伝子弱すぎやしないか?
二人ともβに応募してたハズだが……
「私は当たった」
姉貴がそう言った。はってことは……
「はずれたのか、明?」
ソファーで屍のように倒れている妹は
「はずれ、まし、た」
と呻いている。霞よりはマシだな。
「テスターのランカーは特典で機材もう1つ貰えたはずだから送られてきたら渡してやるよ」
「兄貴に渡されるとかヤダ。自分で買った方がマシ」
反抗期か?お兄ちゃん悲しいよ?
〜翌日〜
「あ、負け組がいますね。ざーこざーこ!クズ運!」
「安心しろ、逐一感想は聞かせてやる」
「殴っていいか?」
「あ、殴るならそっちにしろよ。単発呼符から○○引いたらしいぞ」
「あ゛?(爆死勢)」
「チッ、忘れてなかったのですか」
「ぬっころす(語彙力低下)」
「援護する、前衛は任せたぞ!」
「親の七光り女め、とっちめてやる!」
「蝕天流護身術の見せ所さんですね、せいっ!」
「へブッ」
「あっ」
「霞城が死んだ!」
「犯人が何言ってんだこの人でなし!」
「いや死んでねぇよ!」
「おい蝕天」
「なんです篝火くん?」
「汗でシャツ透けてるぞ」
「えっ」
「まあ嘘だけどな」
「……セクハラとはいい度胸ですね。覚悟は出来てますね?」
「待、待ってくれ!待てっていってんだべギュッ」
「嫌だ!シニタクナーイ!シニタクナーイうわぁぁぁぁぁ!!」
大変カオスを極めた。(全治30分の紅葉付き)
「後で覚えてろよ……」
「おーしHR始めるぞ……って篝火!?お前顔どうした!?」
「気にしないでください」
「日環?」
「キニシナイデクダサイ」
「よし!HRだ!」
威圧に屈しやがったなチキン女教師め……!
某国にて
「ソフィ。当たらなかったのは残念だがどちらにしろすぐに日本へは行けないのだよ?」
「…………わかってるけど」
「あっちのマンションは夜景が綺麗だって聞くよ?」
「何ヶ月もすれば飽きるよ……」
「そう拗ねないでくれよ私の天使よ。案外ステキな出会いが待っているかもしれないんだよ?」
「はぁ……」
因みにセクハラされてる女はヒロインではなく悪友ポジションです。