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いや、むしろ、こっちのほうが一生覚えていそう

変態の妹っていいよね

(キスってすげえすげえすげえすげえ)

(キスってやべえやべえやべえやべえ)


 美咲と別れてから、俺の頭の中はずっとこんな感じだった。

 駅までの徒歩で向かってる時も、電車で席に座って揺られている時も、自宅の最寄駅から自転車で向かっている今も。

 正直、ところどころ帰宅中の記憶があいまいだ。ここまでちゃんと帰れているんだから問題ないが、帰ってからなにか落としていることに気づいても不思議じゃない。そんな、おぼつかない感覚。

 それにしても、キスとはこんなにもすごいものだったのか。

 セックスは自分とはなんか遠すぎて、どことなくフィクションみたいな存在だった。

 それに比べるとキスはどこか簡単に思えて、彼女ができてからはさらに近い存在に思ってた。

 でもふたを開けてみれば、ただ一回のキスで頭はエロい妄想で埋め尽くされ、下半身は爆発寸前だ。

 しかも、いわゆるディープなものではない。ちょっとくちびるとくちびるが軽く触れる。そんな可愛い代物だ。

 キスでこれって、セックスってどれだけすごいことになるんだろう。

 キスを経験したことにより、なんとなく近づいたその存在の妄想で、またたぎってくる。


(駄目だ駄目だ駄目だ! こんなんじゃ帰れない!)


 俺は頭を振って妄想をできる限り止めると、ちょっと遠回りして家路につく。

 当然、完全に忘れることなどできないのだが、なんとか呼吸を整えて、心を落ち着けて、玄関の鍵を開ける。


「ただいまー」


 玄関に入るが返事がない。

 この時間ならもう柚は帰ってるはずなんだけど、もしかして遊びにでも行ってるのだろうか?

 ちなみに、鍵は誰かが在宅中でも閉めるようにしている。残念ながら、世の中物騒だしね。


「なんだ、いるじゃん。寝てんのかな?」


 シューズボックスを開けると、柚の靴が仕舞われている。

 玄関を綺麗に! 靴は靴箱へ! は、佐々木家の方針だ。

 靴は玄関にぬぎっぱな杉村家的には面倒くさかったが、たしかに帰ってきて綺麗な玄関だと気持ちのいい気もする。


「柚ー!」


 ダイニングのほうに声をかけるが、やはり返事がない。

 いつもなら見てるテレビがどんなにいい場面でも「お兄ちゃん!」と、すぐに可愛い顔を見せてくれるので、やはり寝てしまっているんだろう。テレビの音も聞こえないしね。

 ということでダイニングには寄らず、とりあえず自室に戻って着替えよう。

 俺は階段を上り、自分の部屋の前に立つ。ドアノブに手をかけた瞬間、人の気配を感じる。


「お兄ちゃん……お兄ちゃん」


 なんだ、柚はここにいたのか。ほっと胸をなでおろす。

 もちろんこの時間に誰かいるならば柚に決まっているのだが、一瞬柚妹っぽくない声音だった気がしたのだ。

 でもこうやってドアに耳を当ててじっと聞けば、この声は間違いなく俺の可愛い妹だ。

 正直自分の不在時に勝手に部屋に入るのはどうかと思うが、相手はまだ小学生。しかも、俺が自分で言うのはかなり照れるが、かなりのブラコンなのだ。

 朝の一件もあったし、相当寂しい気持ちにしてしまったんだろう。

 でも美咲が風邪だったこともあり、結果こうして予定よりも早く帰宅することになった。

 たくさん甘やかしてやろう。そう思ったのだが、すぐに異変を感じ取った。


「……お兄ちゃん」


 柚の声が、どこか弱弱しく、せつなそう。……いや、苦しそうに聞こえるのだ。


(まさか、柚も病気――)

「お兄ちゃん……苦しいよう……」

「柚ーーーーーーーーーーーーーーーー!!」


 体調不良が頭をよぎった瞬間、妹の消え入りそうな声。

 それを聞いた俺は勢いよく扉を開け放ち、


「お兄ちゃああああああああああああん!! 柚をもっとめちゃくちゃにしてえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」


 そこで自分のつつましやかな胸を服の上からもみしだいている妹を目撃したのだった。

 

 彼女が釘付けになっているテレビの画面では、俺が最近気に入っている女優がちょうど絶頂を迎えていた。

これから妹が暴走していきます

でもこのお話はにこにこ健全小説です

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