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媛西電車 Ⅱ  作者: Hankyu3058
7/13

⑥媛鉄西宮駅「打ちあげ! 料理どうする?」

⑥媛鉄西宮駅 桜川深咲

まさか俺の家で打ち上げが開かれるなんて…

ちなみに父さんにも母さんにも言っていない.

正直,母さんに言うといろいろと面倒くさいからな.

まぁわざわざ許可を取らなくても父さんも母さんも仕事でいないから

6人ぐらい家に連れてきても問題ない!

9:00に”媛鉄西宮”駅集合. わざわざ地下で集合する意味が不明.

っていうかさ,媛西電車乗って家に来るの先輩2人だけでしょ.

小林も後輩たちも阪急より南なんだから

西宮駅は家からすぐだから50分に家を出た.

なのに… 集合時間より5分も速く着いたのに~

「桜川おそい!  Be careful next time.」

へ? まだ8時55分だよ? なぜに6人全員が5分前に集合しているんだ?

まぁ小林の英語には少しむかついたが家に案内する.

「深咲先輩ってすごい便利なところに住んでいるんですね」

「宝塚にも,大阪にも,神戸にもすぐに出られる. パーフェクトじゃん.」

「いや. 毎日轟音がなってうるさいですよ.」

「BGMだと思いなさい」

「不可能ですね. 阪急をBGMだなんて不可能,不可能.」

先輩まで母さんみたいなこと入っちゃって…

まぁ母さんと違って本気ではないことが明らかだからいいけど.

「ところで… うちで何するんですか?」

「打ち上げだよ.」

「打ち上げっていっても俺はなんも準備してませんからね」

「んー おしゃべり会?」

俺の狭い部屋でおしゃべり会!?

しかもつまみもなしですか?

「あ!そういえば茅野ちゃん. 目が見えないんじゃなかったっけ?」

「そうですよ茅野先輩.」

「え? 気のせいじゃないですかねぇ~ 私昨日は寝てたんで」

「じゃあ端末貸して?」

「拒否します」

昨日なにがあったんだ?神崎の目が見えないってなんだ?

端末欲しいわ~ 父さんがアナログな人だから全然買ってもらえない.

俺だけハブられるなんて悲しすぎる!

玄関を開けて…みんな,押さないでっ!口々に俺の家について発言してるようだけど,いっぺんにしゃべってまったく判らない.

まぁ,とりあえずみんな俺の部屋に入ってもらって…

なにか食いもんが無いと味気ないなぁ.

「ちょっと何がしか作って来るんでしゃべっといてくださ~い」

6人にそう言い残して台所へ向かう.

冷蔵庫にはろくなものがない.

秋刀魚,そば,ヨーグルト,食パン,キャベツ,牛乳,レモン,タルト…

タルトってしかもあの松山で有名な奴…

レモンは瀬戸内産,そばは出雲産,ヨーグルトは大仙.

見事に産地が中四国限定だな.どっちのこだわりだ?

なんかいい組み合わせないかな…

「冷蔵庫が暖まっちゃいますよ.」

後ろからいきなり陽乃ちゃんが声をかけてきてびっくりした.

「どうしたの?」

「いや,朱鷺先輩に面白いから行ってこいって言われました.」

「偵察か? まぁちょうどよかったや.一緒にスーパー行かない?」

陽乃ちゃんはちょっと顔を赤くして答えた

「えっ?いいですけど,なんでですか?」

「冷蔵庫にろくなものがなくて. みんな昼ごはん食べるよね?」

陽乃ちゃんはコクコクと頷いた.

皆様に軽く声をかけてスーパーへ.

普段男一人で何かとパシリ的扱い受けてるから,こうやって後輩を従えて(!?)買出しに行くのもなかなか面白いじゃない.

家を出てすぐ

「そういえば… 深咲先輩.冷蔵庫の扉閉めましたか?」

「あ!閉めてない!!やばい…」

冷蔵庫の扉を閉めに戻った.

気を取り直してスーパーへ. 陽乃ちゃんがずっと笑っている.

「そんなにおかしかった?」

「だって… にゃはははっ」

“にゃ”!? 陽乃ちゃんの笑い方が面白い!こんな風に笑うのか.

陽乃ちゃんはこれが食べたい,あれが食べたいと希望を出し,順調に買い物カゴが埋まっていく.いいねいいね,買い物って結構楽しいんだな.

レジに並んだ瞬間,俺は重大な事に気がついた.

なんてこった.

「先輩,どうかしたんですか?」

「財布忘れたよ…」

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