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4話
「追われ死んだ人間の念が積もれば、妖しにもなるよね。土蜘蛛と呼ばれた者の大きく重たい念が、あれを作り出したんじゃないかと」
想像の域を越えないけど、とむつは付け足すのを忘れなかった。
「土蜘蛛と呼ばれた者たちの念だから、あの巨大蜘蛛って事か」
「管轄内ですね」
「今日はもぅ休もう」
むつは、そう言うと資料を端にどけると布団を頭からかぶって丸まった。
本当に寝てしまったようで、すぅすぅと寝息をたてている。颯介は、そっとむつの額に手を置いてから寝室を出た。
「まだ熱が高い」
颯介は、そう言うと冷蔵庫の中を確認した。ほとんど者が入っていない。
「買い物してガソリンも入れないと」
「農協っすか?」
「1番近いのはそこだね。もぅすぐ暗くなる、さっさと行ってこよう」
颯介と祐斗は、狐たちにむつの事を頼み買い出しに向かった。