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4話
むつは、そう言い資料をまとめて手に取り寝室に引っ込んだ。まだ、体調がよくないらしく、少しふらついていた。
むつが居なくなってから、颯介は茶を飲み、ふうっと笑った。
「土蜘蛛か…祐ちゃん、帰るなら送ろうか?俺はまだむっちゃんに付き合う」
どうする?と尋ねる颯介の目が悪戯っ子の様に細められた。そんな顔をされては、一人で帰りますとも言えない。
「残りますよ」
良かった、と颯介は笑うが、最初からその答え意外を聞くつもりはなかったのではないだろうかとも思えた。
「むっちゃんともぅ少し話をしよう」
寝室に入ると、むつは布団に潜り込んで、資料を並べて眺めていた。
「むっちゃんの考えをもぅ少し、ちゃんと聞かせて欲しいんだけど」
颯介がそう言い、布団の上にあぐらをかいて座る。祐斗もその隣に座った。
「妖しい物とかってさ、結局は念の強さでしょ?祐ちゃんも視える人なんだから、それは分かるよね?」
むつは、のそのそと起き上がった。