表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-土蜘蛛-  作者: 幹藤 あさ
91/157

3話

むつの提案で、人が住まなくなった場所までやってきた。道は細く車が通った痕跡もほとんどなく、木や雑草が生い茂っていた。


途中から、車では無理だろうと車から降り歩く事になった。


「むつさん」


足場が悪いから、掴まってもらおうと祐斗が手を出すと、何の躊躇いもなく握ってきた。そして、そのまま歩いていく。

祐斗が引っ張られる形でだ。


「あ、あの、むつさん?」


「ん?手繋ぎたいんじゃなかったの?」


少し熱くしっとりした肌のむつの手。


「いや、はい」


熱でぼんやりしてるのか、むつはへらっと笑うと、どんどん進んでいく。


「あ、家がある、行ってみよ」


「ちょっ待っ‼湯野さーん」


颯介と狐は、むつに手を掴まれ哀れにも引きずられていく祐斗、として認識し苦笑いしながらついてきた。


家としての形を何とか保っている建物の壁には、びっしりと蔦がはっていて、周囲には、腰の高さほどもある枯れ草に覆われている。


「焼いちゃいたいね」


「物騒すぎます。ただの山火事じゃなくて、放火になっちゃいます」


むつと祐斗は、枯れ草を足で踏み道を作りながら進んでいく。


「そうね。消せる自信ないしな」


「コントロール出来ないって事っすか?この前は式神を燃やさずに蜘蛛だけ焼いたのに」


「式神は、わたしの一部みたいな物だけど、草はこんだけ大量だと一気に火が広がっちゃうと思う」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ