表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-土蜘蛛-  作者: 幹藤 あさ
81/157

3話

「結局、何も掴めずか」


がっかりしたような颯介の声に、むつがにやりと笑った。式神を呼ぶとその手を開かせた。


「これは…蜘蛛?」


小さな蜘蛛がいた。死んでいるようで、もぅ動いてもいない。


「そ、狐さんが白い糸で包まれ始めた時にこれが居たの」


「けど、山の中なんだし」


茶を啜ってるむつの代わりに、狐がにやりと笑い、太い尻尾を振った。


「こいつらが、糸を出していたのだ」


颯介と祐斗は、黙った。


むつが、札を出しそれを蜘蛛の上に乗せるとあっという間に燃えた。


寝室に引っ込んだむつは、ポーチを持って戻ってきた。そして、颯介の前に座ると何も言わずに手をとった。


「こんなにしちゃったね…ごめんね」


ポーチから消毒液を取り出し、それで傷を消毒し清潔なタオルでふいて、傷薬を塗るとガーゼを被せて、くるくると包帯を巻いていった。


「本当にありがと。祐ちゃんは怪我とかしてない?」


いつになく優しげなむつに、祐斗はどぎまぎしていた。頬も赤いし何だか目も潤んでるようで、なかなか、ぐっとくるものがあった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ