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3話
「あれ、神社?」
「うむ、田組にはここと我らが住まう神社があるのだ。山組には、3ヶ所の神社があったはずだ」
「多いですね」
「ま、1つの村に1つの神社って所だろうかな」
先程、狐が言っていた半分にわかれる1本道を駐車場の方に向かっていく。見渡す限り田んぼだった。今は水も抜かれ、渇いた地肌が見えるのみだった。
車に乗り込み、山組の方に向かおうかと言う時に颯介の携帯にむつからの電話があった。
『今、どこー?』
「農協があるところだけど、むっちゃんはどこに居るの?山の中?」
『まぁ見渡す限り山ですね。ちょっと困った事にね沼にはまっちゃって…動けないし、埋まってくのよ助けてぇ』
「は!?沼?えっ、沼?」
颯介が慌てたように、狐に沼ってどこだと聞いている。狐も困ったように首を傾げている。
『狐さんとかわって。こっちもかわるーっと、あぁ…手が届かない』
「おいっ‼仲間とかわるらしいから場所を聞き出してくれ」