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3話
神社まで戻っていくと、すでに狐たちも戻ってきていた。すぐに駆け寄ってくると鼻高々に、報告をしてきた。
「我らは役に立つ立派な狐なのだ」
「流石です‼じゃあ、軽くご飯食べながら聞きましょうかね」
ふっふっふ、とむつが笑った。その顔は何もしていないのに悪そうだった。社務所に入ると、台所でむつが昼食の支度を始めた。朝から食事もせず動いていたので、空腹だった。
狐たちを誉めるかのように、甘く煮付けたおあげののった蕎麦にした。そして、小皿には2つほどの饅頭もしっかりと添えてあった。
「また狐を利用するんですよ、あれ」
「まぁ必要不可欠な戦力だよ」
颯介と祐斗が、ぼそぼそと喋っているのは、しっかりとむつには聞こえていた。