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3話
支度を整え、外に出た。
地図もない場所のため、むつだけが式が向かった方向が分かるので、むつを先頭にして歩いていく。
本殿の裏手にまわり、道のない山に入っていく。しっかりと軍手もしているので、枯れ枝を払いのけつつ進む。
パキッ、ザザッと三人の歩くたびに音がするだけで、それ以外は聞こえない。
昼間なのに薄暗い。
「この辺…かな?」
「自信ないんですか?」
むつは、上を向いたり辺りをキョロキョロと見回している。
「途中で糸が切れちゃうとね」
膝をついてガサガサと枯れ葉をかき分けて、何かがないから探っている。