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3話
着替えやシャンプー、タオルを持ちむつは、風呂場に向かっていった。室内とはいえど、古いせいか寒い。服を脱ぐ前にお湯を出し、少しでも風呂場を暖めておく。服を脱ぎ、下着を外すとたわわな胸が締め付けから解放され喜んだように揺れた。
長い髪を濡らしてシャンプーで、わしわしと洗っていく。髪が濡れると重いのか、頭をあげて後ろに髪をたらして、洗っていく。シャボンの清潔な香りが風呂場に満ちていく。
シャンプーを流さずに、ボディソープを手に取り泡立てる。そして、そのまま足からくるくると洗っていく。
そして、シャンプーを長そうと後ろをむいた。と、そこには寝ていると思っていた狐がむつ同様に泡に包まれて身体を洗っていた。
「なっ、おーいっ‼ふざけんなぁっ‼」
きゅっとお湯を止め勢いよく冷たい水を狐にかけた。
「ぎゃんっ‼」
中途半端に泡の残っている狐は、そのまま脱衣場に投げ出された。
むつの大声を聞きやってきた颯介が、泡にまみれた狐を見つけ、バシンと頭を叩いてから、タオルを渡してやった。