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3話
指示に従って、祐斗は肉種を作った。少し緩いような気もしたが、むつには言わずにおいた。
「そした、スプーンを2つ使って肉種を丸めてお鍋の中に落としていって」
「えっ!難しそうだなぁ」
祐斗が、ぶつぶつ言ってるのも気にせず、じゃぶじゃぶと食器を洗うと買い物袋から出した布巾で、さっと水を拭っていく。
「全部出来たら、コンソメいれて蓋をしといてね」
「コンソメ何個ぉ?」
「2つ」
食器や箸を居間に持って行き並べ、また戻ってきたむつは、フライパンを火にかけ、おあげを並べた。
「焼けたら引っくり返しといて」
「え、ちょっ…」
むつはもぅ台所から出ていった後だった。祐斗は仕方なく、肉種を何とか丸め鍋に落としつつ、フライパンのおあげを気にする事になっていた。
「何でかなぁ」