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4話

「ぎゃっ‼」

目の前の炎に炙られ蜘蛛が仰け反った。

その隙に尻尾の生えたむつは、狐へと戻り蜘蛛の身体の下を狐火を灯したまま、走り抜けていく。

狐が走り出したと同時に左右から飛び出したむつと颯介が、足を切り落とした。

むつは、足を切りと押すのに使った札でそのまま腹に切れ込みを入れると、濁った緑のような体液が溢れる腹に、躊躇いもなく手を突っ込んだ。

「ノウマク・サンマンダ・バザラダン・カンっ‼」

気合いを入れて叫ぶと札はたちまち炎となった。そして、その札でそのまま腹を切り開こうとしたが、暴れた蜘蛛の足で後方に飛ばされた。

木にぶつかり倒れ、すぐには起き上がる気配がない。

蜘蛛の視線がむつの砲に向いたのをみて、颯介はもぅ１本足を切り落とした。そして、前部と後部の繋ぎめであり1番細くなっている部分に刀を刺した。

颯介は、日本刀から手を離さずそのまま力の限り押し込んでいきながら、むつの様子をみた。

何とか立ち上がろうとしているのが見えたが、ふらついているのが遠目でも分かった。