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4話
「はぁ…先ずはあのくそ女の動きを止めないと」
「足を切り落とす?」
むつと颯介がひそひそと話しているのが聞こえたのか再び、ぶんっと唸る音と共に足が振り落とされた。
颯介に抱えられて何とかむつも避けたものの、同じ攻撃がすぐにまた繰り出された。
「おいかけっこ楽しいかい?」
二人の居場所が分かっているはずなのに、女はわざと違う所に足を振り落とす。ばきばきっと木が折れて倒れた。
「あれ、くらったらお陀仏じゃね?」
「同感。やっぱり管轄外って事にして逃げちゃおうか?」
女は何度も何度も自分の力を見せ付けるかのように、木々をなぎ倒していく。
「車道を蜘蛛に追いかけられるとかうけそうだよね」
「むつ殿‼そんな悠長な事を言ってる場合ではないのだぞ」
「あら、逃げなくて良いの?」
逃げたと思っていた狐3匹が揃っていた。
「木々が邪魔で逃げようにも捕まりそうでな」
狐が言う通りだった。いつの間にか多くの木々がなぎ倒され、ちょっとした広場のようになっていた。