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2話
隣で、考えこむように指先で顎を撫でているむつの頭に、ぽんと冬四朗が手を置いた。
「ん?」
「どうした?」
「いや、何でもない、かな?」
むつは、冬四朗の手をやんわりとどかすと立ち上がりキッチンに入っていった。そして、小さなトートバッグを冬四朗に押し付けるようにして渡した。
「痩せたね、これから行ってみるから代わりに食べていいよ」
「むつの弁当か?へぇ…大丈夫か?」
「どういう意味よ‼わたし、料理上手いからね‼…そのかわり、乗せてって」
「はぁ?!」
祐斗が驚いているように、颯介も目を大きく見開いてむつを見ていた。
「先に行くのか?」
「ちと、気になる事が」
それだけ言うと、むつは、鞄にさっさとタバコと携帯などを入れ始めた。そして、冬四朗の横に立つと急かせるように、ドアの方を見た。
「俺らは、社長を探しに行ってからになるけど…いいのか?」
「ん、社長ならマン喫に居るってさ。今日はすっからかんらしい」
「はぁーダメ人間。何で俺ここでバイトしてんだろうなぁ」
「祐ちゃん、それは考えたらダメよ」
むつは、くすくす笑いながら冬四朗の背中を押すようにして出ていった。




