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よろず屋-土蜘蛛-  作者: 幹藤 あさ
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4話

「その狐も身体の大きな男も、この子たちの良い餌になりそうね」


女の顔は暗くてあまりよく見えないが、満足そうに微笑む様子が分かる。


祐斗は操られているのか、ぼんやりとした表情で、ただ女の隣に立っている。


「怖いかしら?大丈夫。この子たちみたいに、ちょーっと蜘蛛を飲み込めばね。何も考えられなくなるわよ」


女の言葉にむつと颯介は、驚いたように顔をあげた。


「たち、だと?」


「そう。あの優しい警官とこの子」


女の足元には、あの警官の頭部があった。それを可愛がるように抱き上げると、頬擦りをしている。


最早それは、人の顔の皮を被っているだけのようだった。切り落とされた時にはあったはずの肉はなくなり、眼球もなく、そこから鋏のような顎が出ている。


「蜘蛛の食事の仕方、知ってる?貴女は賢いみたいだもの知ってるわよね?」


抱き上げられた頭部から出ている細い足が、喜ぶように震えた。


「消化液をね、体内に流し込んで肉を解かして食べていくのよ。ここに居るのは、普通の人間、狐じゃないもの。きっと素晴らしい力になってくれるわ」



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