109/157
4話
やばいのはお前だ、と言いそうになりながらも颯介は、器用に目を反らしながら、むつに落ち着くよう言った。
その間に、狐たちがわたわたと、むつの服を取りに行っていた。
むつが背後で着替えている気配を感じながら、颯介は説明を求めた。
「あーの、心配だから式をこっそり付いて行かせたの。近寄らずに見守ってたから、バレるはずなんてないと思ってた」
着替えを済ませ、バスタオルを頭に巻いたむつが、颯介の前に座った。
狐たちのチョイスが良いのか悪いのか、身体のラインのはっきり分かるピッタリした、インナーのせいでまだ、少し目のやり場に困る。
「式は、わたしの分身みたいなもの、簡単にやぶけるものじゃないの。濡れたり焼けたりには、かなり弱いけど」
「って事は?」
「雑魚じゃなかったって事。祐ちゃんが危ないかもしれない、あいつ自分の力を弱いと思ってるけど、そうでもない分、狙われやすいんだって」
「女が倒れてたのも偶然じゃないって事だね?」
「たぶんね。迎えに行こう」