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4話
もぅ腹がいっぱいになってきてるのか、管狐に麺を食べさせながら、むつが不思議そうに首を傾げている。
「祐ちゃんは?」
狐たちのところ?と視線だけでたずねてくるのに、颯介は首を振った。そして、買い物に行った帰りの事を話した。
むつは興味なさそうに、ふーんと返事をしただけだった。
「むっちゃんの方は?宮前さんと仲直りしたの?」
噛みきれない、しなちくをもごもごと咀嚼していたむつは、目を大きくあけて颯介をじろじろと見てきた。
「そんな事、話したっけ?」
「いや、けど何となく?宮前さんの話になると機嫌悪くなったりするから、喧嘩してるのかと思って」
しなちくを飲み込み、あーっと返事とも何ともつかない声を出した。
「喧嘩じゃないけど。何か、よく分かんないけど…うーん?今は距離をおいてるのかな?」
ちらっと枕元にあった、ペットボトルをみた。冬四郎が、むつが好きだからと買ってきてくれた物だ。
「隠し事されてる気がするから、信用出来ないって言っちゃったの」
「それでも、むっちゃんが熱出したって聞いてわざわざ、来てくれたんだな。優しい人だよね」