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4話
社務所に戻ると荷物を片付け、夕飯ということで、カップ麺にお湯を注いだ。意外にも狐たちは、初めてのカップ麺だったようで、喜んでいた。
颯介は、自分の分とむつの分を持ち寝室に入っていった。むつは起きていて、管狐と遊んでいたようだ。
「最近、一緒に居ないと思ったら、むっちゃんにべったりだったのか」
「そうでもないよ。同属が居るからそっちのが居心地良いみたいでさ」
寝るときも狐らと一緒に居るみたいよ、とむつは笑っていた。熱も下がってきたのか顔色も良さそうにみえる。
布団を半分に畳んでどかし、颯介は床の上にカップ麺を置いた。
「こんな物だけど我慢しろな」
「ううん、ありがと。明日は任せて、ちゃんと作るから」
むつは、そう言うと蓋を外して食べ始めた。