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4話
みかの不安げな声に、祐斗は戸惑っていた。そばに居て、守りたくなるような、みかにはそんな儚さがあった。
「えーっと、湯野さんでしたね?宜しければ一緒に泊まって行きますか?うちは、家内と二人なので大丈夫ですよ」
みかが祐斗には、信頼を寄せているように思ったのだろう。警官からの意外な提案に、祐斗は嬉しそうな顔をした。
「女性の方もその方が心強いのかもしれませんし、明日になれば落ち着いて話をしてくれるかもしれませんし」
どうですか?と聞かれても、じゃあそうします、とは言えなかった。
颯介は、祐斗とみかを見比べ警官に視線を戻して溜め息をついた。
「私は、戻らなくてはならないのですが…彼だけ置いていきますからお願い出来ますか?明日の昼頃には彼を迎えに来ますので」
「分かりました。こちらこそ、お手数おかけしますが、よろしくお願いします」
祐斗を置いていく事で話はまとまり、颯介はさっさと車に乗り込んだ。