表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろず屋-土蜘蛛-  作者: 幹藤 あさ
100/157

4話

「湯野さん、どうしましょ…救急車呼んだ方が」


祐斗がそう言うと女は、大きな瞳に涙を溜めて、ゆるく首を振った。どうやら、救急車を呼ばれたくないようだ。


「困ったな。…確か近くに交番が…駐在所?があったから、とりあえずそのに連れて行こうか」


颯介と一緒に女を支えて車に乗せ、すぐ近くの駐在所に連れていった。


駐在所で警官の質問に、あまり答えたくないのか、女は黙っていた。住所もどうして倒れていたのかも分からずだったが、名前だけは聞く事が出来た。


「で、みかさん。住所も教えてくれないんじゃ、送る事も出来ませんけど、どうするんですか?」


颯介と祐斗は、みかを面倒みる事は出来ない。駐在所の警官が、この裏に自宅があるから、そこに今夜は泊まれば良いと言っていた。


みかと名乗った女は、不安そうに祐斗を見つめ、また少し涙を流した。祐斗が励ますように寄り添っている間に、颯介は警官からあれこれ質問を受けていたが、そこはある程度、受け流した。


住民でもないのに、うろついていて怪しまれてはいるようだが、本当の事を頼み話しても胡散臭さが増すだけだ。


「さて、もぅそろそろ良いですか?私どもも帰りたいので」


颯介がそう切り出すと、警官も引き留める事が出来ない為あっさりと帰っていいと言った。


「わたし…一人になるのですか?」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ