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In there of the beginning of end(連載版)  作者: ナマケルモノ&文屋
第弐章~矛と盾~
7/8

朱と蒼

重力を操っていた彼のいた町から三日。

ようやく県をまたぎ次の町にやって来た。

どうやらここは自衛隊が奮戦していたらしく、戦車の残骸や人の白骨体等があちらこちらにさんけんできた。

また敵の白骨体等も多いいため、相当ここでの戦闘の激しさを余計に感じられた。

そのなかを私は歩く。

能力を使わなくてもいい町中はひさしぶりだ。

エネミーの姿も見ない死の町。

それがこの町にふさわしい名前だろう。

私は歩くなか見つけた半壊したコンビニにはいった。

店舗にならんでいる物はほぼないが、あの当時の面影か朽ち果てた雑誌や雑貨が床に落ちていたり、そのままになっていた。

どうやら店の奥は壊されていなかったので、入ってみた。

缶詰め等を拝借し店からでる。

ついでにあった1㎏の米をもらってきたのは内緒だ。

鞄から水のはいった水筒をとりだし、水を店のなかにあったガスボンベをもらい自前の鍋にいれ、お湯にしてこれも店のなかにあったインスタントコーヒーに注ぐ。

砂糖やミルクは、賞味期限がとうにきれていたが、インスタントコーヒーだけはかろうじて賞味期限がきれていないものを見つけた。

ひさしぶりに飲むブラックのコーヒーはやっぱり苦い。

でもかつて文明が生きていた時と変わらない味だ。

ただ満喫したそれはやっぱり苦くて、もう飲むのをやめようと思わせる味だった。

人心地ついたので缶詰めを開け食べる。

ひさしぶりの味のついた食事だ。

普段は鞄にいれたじゃがいもを水で蒸かして食べているので、ひさしぶりの味のついた食事に少しほっこりする。

鞄には他にも物資と交換して貰うために煙草や塩、胡椒等もはいっておりりとし充実している。

ただ重いのが難点だ。

私の能力なら車やバイク何かを運転してても気づかれないが、運転の仕方などわかるはずもない。

運転の練習でもしてみようかな?等と考えていると、じゃりっと音が聞こえた。

とっさに鞄にいれていた包丁を抜き身構える。

「あーキミそれってコーヒー?」

と聞いてきたのは、目が細く狐目のような目をした細身の男性だった。





--------

それからしばらくして、とりあえず自己紹介と相成った。

「俺トウドウスエヒロね。藤のとうに殿堂入りのどう、末のすえに広いって書いて藤堂末広ね。お嬢ちゃんの名前は?」


「宇宙のうに井戸のい里芋のさとでウイサトって言います。下は美しいに冬でミフユです。」


「そっかーミフユちゃんて言うんだーとりあえずコーヒー俺ももらっていい?」

私は残ってたお湯でコーヒーを煎れてマイカップを藤堂さんに渡した。

「ん~ありがとう。ひさしぶりに飲むね~それにしてもミフユちゃんどこからきたの?ここらへんの子じゃないよね?」


「そうですね。ここから1ヶ月ぐらい歩いたところから来ました。」


「へぇ~長旅だったんだ。よくここまでこれたね?君も能力者?」


「君もってことは藤堂さんも、能力者ですか?」


「そうだよ。俺の能力はパイロキネシスってのが一番あってるのかな?とりあえず火や炎を産み出して自在に操る能力だよ。」


「そんなに簡単に能力を教えてもよかったんですか?」


「別に隠してないからね。まぁアヤネちゃんに聞かれたら怒られちゃうけど。」


「アヤネサン?」


「俺と行動を共にしてる子だよ。お互いに子供好きでね。基本孤児になった子を守りながら、あっちにフラフラこっちにフラフラしているよ。 」


「へぇそうなんですか。」


「まぁね。ミフユちゃんも一緒に来るかい?僕これでも小学校の教師やってたんだ。 」


「あぁ……だから白衣着てたんですね。」


「そう言うこと。まぁ気が向いたら来てよ。今はこの町の中心にある役所後にいるからさ。コーヒーご馳走さま。」


そう言って彼はもと来た道を歩いていってしまった。



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