表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
In there of the beginning of end(連載版)  作者: ナマケルモノ&文屋
第壱章~能力を過信したもの~
6/8

幕間~平穏崩れし理想郷~

今日も青空が広がっている空を仰ぎ見れば、空を舞う一羽の鳥が飛んでいる。

「やっぱ平和はいいな~」

青年になったばかりの彼は、のんきに空に手伸ばし太陽を見る。

勿論直接見るわけではないが、隙間から覗くそれは今日も元気に輝いていた。

ざざっと何か機械の音がなりその平穏は崩れた。

「大地?こちら澪聞こえますか?」

彼は腰にさした無線を抜き取り耳にあてた。

「こちら大地。澪どしたー?」

のんきに返事をした青年に怒ったような声が聞こえてきた。

「どしたー?じゃないわよ!!また佐藤さんが問題をおこしてるのよ!!これで三度目よ!!!まったく教育してもしてもなおらないんじゃないの彼奴!!」

青年は頭をボリボリかきながら凄まじい笑みを浮かべる。

「しょうがない。佐藤さんは処分しますか。」

ぞっとするような声を出し彼は言う。

「了解。どうする?私が処分しとこうか?」

そんなことを気軽に言った彼女に彼は。

「いや。見せしめにするわ。そいつ」

そうして彼は歩き出した。



-------

広場に到着した彼が見たのは震えて集まる集団。

その回りに俺の仲間たち。

そして縛られた佐藤と言う名前のオヤジ。

「佐藤さん。またやらかしたんだって?もう煽動何かしないってこの前誓わなかったけ?」

縄で縛られた男は俺を見上げる。

「誓ったさ!!だが!やり過ぎだろう!!俺達にも人権ってもんがあんだろ!!俺達は我慢してあんたにしたがってんだ!!少しぐらい文句言ったっていいだろ!!」

俺はそいつの頭を足蹴にして聞く。

「人権?確かにあるさ。だが俺達がお前ら守ってやってんじゃないか。なのになんで、あんた達は俺らに文句を言うんだ?食事迄あんた達に供給する仕方を教えてあげてるんじゃないか。なのになんで文句を言うんだ?俺にはわからないよ。」

「やり過ぎだっていってんだろ!!!確かにあんたらには感謝してるし恩も感じてる!!だけどなんで食料をそんなに絞るんだ!!子供達だって飢えてんだぞ!!」


「だから?仕方ないだろ?色々考えがあるんだよ。 」

まるで当たり前のように言われた言葉に佐藤は唖然とする。

「まぁでもやっぱり煽っちゃダメだよね?だから見せしめになってよ。」

いうがはやいか能力を発動した。

「ギヤぁーーーーーーーー」

段々あがる重力にメキャメギャといやな音をたてながら潰されていく。

「がぁぁぁ!!たった、ず、げ、で」

俺はそれに首を振り。

「マキャベリがいうにはね?時には君主には冷酷さも必要なんだってさ。」

そう言ってにやける顔は悪魔のようで。

そこにいた全員は背筋に氷をいれられたかのように薄ら寒いものを感じた。

そして死刑は執行された。





-------

ざざっとまた機械がなった。

「今度はなにさ。」

住民達が佐藤だったものをかたずけている中その通信は、はいった。

「こちら清治!!ヤバイぞ!!ゾンビどもだ!!」

大地は溜め息を吐きながら首を振る。

「まったく平和な1日だったのになんだっていうのさ。」

そう言って城壁に向けて足を向ける。

「あっそうだ。剛。悪いけど皆を、防空壕に非難させといてくれるか?」

筋肉がしっかりと付いた青年が頷き無能力者を防空壕へ促した。

「悪いけど澪と光ついてきてよ。」

凛とした女性と優しげな女性が彼に付き従った。




---------

城壁の上に立ち清治に話しかける。

「清治どうだい相手は?」


「いやな感じだな。大分数が多いいわ。しかもゾンビだけじゃねーわ。オークとかウルフとか何かスッゲー混じってやがる。」


「へぇ~わりと今回本気じゃん。」

そう笑ながら返す彼に、清治と呼ばれた青年は肩を怒らせながら能力を使う。

「能力使うからな!!いでよ19インチ砲。」

黒光りする砲塔が城壁の八方に展開される。

「相変わらずワケわかんない能力だね。どうやって撃ってんのさそれ。」

肩をすくめながら清治は、首を振る。

「関係ないだろ別に。んじゃ派手にやりますかぁー」

とたんに鳴り響く轟音。

19インチ砲という化け物から噴き出すそれは圧倒的火力をもってゾンビ達を吹き飛ばす。

尚も迫るゾンビ達にもう一人の能力者が能力を使う。

「仕方ないね。私も行くよ?」

雷でできた弓を空に掲げ雷の弦を弾き放った。

放たれた雷の矢は、空で別れゾンビ達に雷の雨を降らした。

それでも迫るゾンビ。

城壁にとりつかれた。

そのとき彼が動いた。

「ん~汚ないねぇ~まったく俺の城に汚い手で触んないでくれるかな?」

使われた能力によりとりついたゾンビ達を圧殺した。

しばらくして、空を飛ぶそれに気付いたのは清治だった。

「あっ!!なんであんなもんが空とんでんだよ!!F16にブラックジャックにB52フォートス。なんでロシアとアメリカの戦闘機と爆撃機が編隊組んで飛んでんだよ!!意味わからねぇ!!」

とたんに爆撃機から投下されるナパーム弾の雨。

燃え広がる城壁。

そして最後の能力者が能力を使う。

「絶対に傷つかせない!!」

光の盾が能力者達に展開される。

それでも打ち込まれるAIMー4Gとナパーム弾は、容赦なく城壁及び城壁内部に発射される。

崩れる城壁。

コンクリートを固めただけの城壁はさすがに脆かった。

崩れた衝撃で能力者達はバラけてしまった。

それでもこの城の城主たる大地は、自らの能力をフルに使い敵を殺していた。

城壁が崩れて1時間清治から通信がはいった。

「大地わりぃ。澪が死んだ。」

今にも死にそうな声で通信をしてきた、清治に大地はどなる。

「どういうことだよ!!清治!!おい!!返事しろよ!!」

かすれる声で返ってきた答えは絶望だった。

「わりぃな大地。おれも………先逝くわ。」

その答えを最後に清治の能力で産み出されていたトランシーバーが崩れ落ちた。

そこで彼の中の何かが壊れた。

「あぁあぁぁぁぁぁぁ!!俺は何も守れないのか!!!!!クソクソクソクソクソクソクソクソ!!!!!オレハナニモマモレナイ!!!!!」

そこで彼は自我を失った。

すべてを潰す。

ただそれだけをした。

そして少しして少し自我が戻った時。

そこには自分の能力で殺してしまったものを見てしまった。

大事な幼なじみと高校時代からの親友の圧殺体。

完全に崩壊していく自我の中で自分の不甲斐なさを呪った。

しばらくして自分の能力がきれ自分の首から血が吹き出していた。

そして遠ざかる女性が一人。

それを見て一言彼は呟いた。

「くそが……死に…た…く…な…い…よ……」

残るは砂と哀れな死体が1つ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ