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In there of the beginning of end(連載版)  作者: ナマケルモノ&文屋
第壱章~能力を過信したもの~
4/8

重き者の噂

私が旅立って20日が過ぎた。

ようやく県をまたぎ隣の県へとやって来ていた。

そこでとある能力者にあった。

「あんたすごいねぇ。」

そう声をかけてきた三十代の男性は、鈴木 亮太 と名乗った。

「俺の力の中には簡単に入ってこれねぇんだけどな?普通は。」

なんでも彼の能力はある一定範囲内に、結界のようなものをはり身を守ることに特化しているらしい。

「鈴木さんはなんでこんな山の中にいるんですか?」

私はつい聞いてみた。

「あーーなんだ。この先の町から逃げてきた所だったのさ。んでわりとしっかりとした家を見つけたからここに陣取ってたんだ。」

彼が言うにはこの先の町にいる能力者が、性格に難があり、同じ能力者や能力の無いものを無作為に助け自分の偽善のために守っているそうなのだ。

「彼奴は狂ってる。ただ自分のプライドを守るために力の無いものを助けてる。確かにおこないだけを鑑みれば、だだの善人のようにも感じるさ。だが彼奴はそんなやつじゃない。自分の命令を聞かないやつは、能力を使って拷問したうえでそれを教育といい、逃げ出すやつを殺す。自分が満足するために、正義のヒーローゴッコをしてやがる。狂ってるのさ奴は。」

そう吐き捨てながら彼はタバコに火をつけて空を見上げる。

「俺の力は逃げるためには最高だろ?彼奴から逃げるために、生まれた力だからさ。」

そう自嘲気味に言う彼の背中は寂しさをはらんでいた。

「じょうちゃんあんたの力がなんなのか知らないが。彼奴は避けていった方がいいぜ?彼奴の力は殺す為の力だ。重力を操ってるらしいからな、彼奴が自慢げに話してたからたぶんその通りなんだろうさ。話はこれでいいかい?んじゃ行った行った。」

彼は面倒くさそうに手を振り別れを口にした。

私は彼に礼を言って。

その場を離れるのであった。




そこから1日ほど歩き、町を一望できる展望台にやって来た。

重力を操る能力の力を見て起きたかったからだ。

だが後悔した。

いびつに歪んだビルや家。それを無理矢理粘土のように固めて作ったかのような城壁を見てしまったからだ。町の一部を除き全て城壁の一部にされてしまった町がそこにはあった。

まるでその城壁から内側だけが自分達の領域だと言いたげに。

誇らしく旗まで掲げられている。

展望台から見える一部では畑を耕しているような事もうかがえる。

ここは日本ではなかったか?

そんなことを考えながら狂った町の狂った一部を、私に残っているあの当時の考えが、もう通じないのだろうと心から思ってしまった。



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