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潜入

最近、色々と忙しくてアップ出来ませんでした。

というより読んで下さっている方はいらっしゃるのでしょうか(・ω・;A)

もしそうなら有り難い限りですm(__)m

不定期でストップすることも多々あると思いますが、今後とも宜しくお願いしますm(__)m

隣国へ向かって歩き始めて数分がたった。

俺とリンは小さめのリュックを背負って歩いている。

俺のリュックの中身は王女から渡された迷彩柄のパンツだ。

リンのは多分着替えとかだろうな。

今のところは特に変わった事は無い。

王国を出ると大きな建物は無く、農地が広がっていた。

リンが言うにはこの辺りには農民が暮らしているそうだ。

農民と言っても貧しい暮らしをしているものは居ない。

隣国との争いで疲弊しているのは戦力だけで、経済的には余裕があるらしい。

リンは隣で鼻歌を歌いながら楽しそうに歩いている。

なんだ、ノリノリじゃないか。

結構文句言ってたくせに、本音はそうでもなかったんだな。

「なぁ」

俺はリンに話しかける。

リンは面倒臭そうにこちらに顔を向ける。

「何よ」

「何でそんなに楽しそうなんだ?」

これから敵国に偵察に行くというのにリンは何がそんなに楽しいのか俺には分からなかった。

バレる確率だって高いだろうし、楽しい気分になれる状態ではない。

「暗い顔したって仕方ないじゃない。それにバレないように振る舞えばいいだけでしょ。何であんたの中ではバレるのが前提なのよ」

確かにそうなんだが、お前がいるからなぁ。

すぐに正体がバレてしまいそうなんだよなぁ。

「大丈夫よ。上手くいくって」

その自信はいったいどこから来るのやら。

まあ、行ってみない事にはどうしようもないしな。

俺達は(しばら)く広がる農地を眺めながら道を歩いた。

20分くらい歩いた頃。

「ねぇ」

リンの方から話しかけて来た。

「王女様が(おっしゃ)ってたけど、あんたって異世界から来たの?」

「ああ。正しくは連れて来られたんだが」

「あんたがパンツ被ってたのって、わたしと同じ力が使えるからなの?」

「そうらしいな。パンツなんて被りたくないんだがな。変態みたいだから」

「確かにそうよね……」

「お前みたいに匂いを嗅ぐような変態とは一緒にはされたくないしな」

「うるさいわね! いいじゃない好きなんだから!」

……今かなり危ない発言してるぞ。

学校とかでスカートが短いとか言ってた俺が恥ずかしくなってくる。

この世界じゃパンツ被ったり、匂いを嗅いだりする奴もいるし。

「それはいいとして、入国して何したらいいのかしら」

「偵察としか聞いてないからな。まあ、何やってるのかとかを報告すればいいんじゃね?」

「そうね。何してるかなんて行ってみないと皆目見当もつかないしね」

昼前に出たから夜までには着けると思うが、本当に近いんだな。

地図にも約30キロって書いてあるし。

因みに、薬のお陰で言葉だけでなく文字も理解できる。

本当に便利な薬だな。

「お昼ご飯食べずに出てきたけどお昼はどうするの?」

「安心しろ。王女が出かける時に弁当を持たせてくれた」

「何ですって! 王女様のお弁当!?」

「王女が作ったかは知らんぞ」

リンは嬉しそうに目を輝かせる。

メイドが作ったとは思うがリンにとっては嬉いんだろう。

「わたしお腹空いた」

「じゃあ昼にするか」

俺達は近くの岩に腰を下ろし弁当を広げる。

二人分ということもあって結構な量である。

中には色取り取りの野菜や肉料理が並んでいた。

とても食欲をそそる。

リンは早速弁当に手を付ける。

リンは卵焼きを口に含み幸せそうな顔をする。

「ん~♪ おいし~♪」

俺もリンに続き弁当を口にする。

弁当はとても美味しかった。

こういうのも、たまにはいいな。

俺達は食事を終えた後、その場で(しば)し休息を取った。

10分程休憩した(のち)、俺達は再び歩き始めた。

道中、これといって変わった事も無く至って平和だった。

王宮に居る方が疲れるのは何故だろう……

リンは結局、隣国の近くに来るまで終始楽しそうだった。


そして、辺りも暗くなった頃、隣国の入口らしき巨大な扉が見えてきた。

俺とリンはフードを被り顔を隠す。

入口には門番の男が一人立っていた。

「おい、お前達。何者だ」

案の定声をかけられる。

「俺達は旅の者です。今夜泊まれる宿を探しているのですが」

「旅の者か。では入国料を支払ってもらおうか」

お金で入国出来るのかよ!

てかお金取るのか……どうしよう、お金なんて持ってないぞ。

「いくらかしら?」

おお!

リンは持ってるのか!

助かった~

「誰が金だと言った」

「は?」 「へ?」

俺達二人は揃って変な声を出してしまった。

「じゃあ、何を渡せばいいのかしら?」

「パンツ一枚だ」

ここでもパンツかよ!

本当に何なんだよこの世界は!

あっ、そうか。王女が渡してくれた迷彩柄のパンツはこれの為だったのか。

俺はリュックから迷彩柄のパンツを取り出して門番に手渡した。

「ほう。迷彩柄のパンツとは。旅の者にしては良い趣味をしているな。よし入っていいぞ」

断じて俺の趣味ではないからな。

勘違いするなよ?

俺は誰に言うのでもなく心で独り呟いた。

俺達はあっさりと敵国への潜入に成功した。

門番があんなので大丈夫なのかと心配になる。

しかし、この世界でのパンツとはいったいどれくらい凄い物なのだろう。

入国の際にも使われるなんて。

まあ、何はともあれ入れて良かった。

俺達はとりあえず宿を探すことにした。

国を探索するのは明るくなってからだ。

幸いリンがお金を持っているようなので今回はリンに頼るしかないな。

「じゃあ、宿を探しに行きましょうか。言っとくけど今回だけだからね」

「助かった。ありがとう」

俺は素直に感謝の言葉を口にする。

俺とリンは宿を探して歩いた。

宿はそんなに探すこともなく、すぐに見つかった。

ドアを開けて中へ入る。

「いらっしゃい」

「今夜、二人泊めてもらえないか?」

「あんたら、旅の者かい?」

「ああ、そうだが」

「なら料金はいいから泊まっていけ」

「いいのか?」

「うちは旅の者から料金は取らないんだ。この国のほとんどの宿がそうなんだがな。宿は国が管理しているから」

成る程、国が管理しているから経営資金などは全て国が持ってるのか。

今の俺達には有難(ありがた)い。

俺達は二人で一つの部屋に泊まることになった。

二部屋取れないか確認したのだが、生憎(あいにく)埋まっていた。

宿の(あるじ)に聞いたが、この国は結構観光客が多いらしい。

というのも、この先に行くには一旦この国に入って通り抜ける必要があるから、必然的に多くなるようだ。

俺達は部屋のカギを持って二階にある部屋に向かった。

二階は一直線に廊下が伸びていて、その両側に部屋が五部屋ずつ並んでいる。

俺達の部屋は右側の三番目の部屋だ。

鍵を開けて部屋に入る。

中は結構広く頭側が壁に面している二つのベッドがあり、その枕元に電気スタンドが置かれている。

トイレとバスルームは別になっている。

ユニットバスよりはいいな。

「じゃあ、わたしはお風呂に入らせてもらうわ。半日歩いて汗もかいたし。言っとくけど覗くんじゃないわよ」

「分かってる」

誰も覗かねぇよ。

お前の裸なんて興味ないし。

リンが風呂に入っている間、俺はこの後の事を考えていた。

魔王はこの国を治めている人物だ。

旅人が魔王に会うのは難しいだろうし。

詳しくは明日にならないと分からないが、この国の雰囲気は悪くはない。

とても活気があり、争っているようには感じない。

それはパンチラーノ王国でも言えることだがな。

本当に争っているのかと疑いたくなってくる。

パンツであれ程の力が発揮できるんだから、建物が壊れていたりするものなのかとも思っていたのだが違った。

もしかしたら、争っているのはほんの一部の人達だけなのかもしれない。

力を使えるほんの一部の人間が。

だから、国民達は争っていること自体知らないんじゃないか?

パンチラーノ王国は攻め入られているから国民も争っていることは知っているかもしれんが、攻め入っている側なら争うのはパンチラーノ王国内でこちらの国内ではない。

争っていることを知っていたなら、こんなに簡単には入国させてもらえなかっただろう。

この先に行く為にこの国を通り抜ける人が多いからかもしれんが、それでも簡単過ぎる。

パンツ一枚で入れる国なんて未だかつて見たことも聞いたこともない。

この国のパンツの価値が凄いだけか?

それか、国のお偉いさんが水面下で動いているから国民は知らないのかもしれないし。

とりあえず、そのことは置いておいてだ。

偵察に来たんだから収穫は得たいところだ。

しかし、どうしたものか……

俺が思考を巡らせていると風呂からリンが上がってきた。

「上がったわよ」

「ああ」

「どうしたのよ」

リンは俺の険しい顔を見て話しかけてきた。

「いや、入国は出来たが、どう偵察するか迷ってたんだ」

「まずは魔王に会ってみたらいいんじゃない?」

「簡単に会えるような人物とは思えないが」

「直接行けば会わせてくれるわよ。何かしらの理由を付けて」

「簡単に言ってくれるな……」

「とりあえず、あんたもお風呂に入りなさいよ。今日は寝て、明日行ってみればいいじゃない。考えても分からないんだから」

「それもそうだな。じゃあ風呂に入ってくる」

俺は話を切り上げて脱衣所に入った。

リンが上がった後だからか良い香りが漂っている。

衣服を脱いで腰にタオルを巻いて風呂に入ったのだが何だか違和感を感じる。

いや……視線と言うべきか。

確実に見られている。

リンは気が付かなかったのか?

かなり強く気配を感じるんですけど……

あのバカならあり得るな。

俺は相手に気付かれないように目だけで辺りを見回した。

どこだ……どこにいる。

気配は確かにする……どこだ……

背後は振り向かないと確認できない。

背後に居るのか。

姿勢を低くしてシャワーの近くに置いてあった石鹸を手に取った。

そして目を閉じて感覚を研ぎ澄ました。

…………………………そこか!

俺は気配を強く感じた背後の天井に振り向きながら石鹸を全力で投げた。

「あいたっ!」

声がすると同時に天井から人が落ちてきた。

「うにゅ~……」

落ちてきたのは赤い髪のショートヘアで身長は140cm前半くらいで、見た目10代前半くらいの幼女だった。

「何の音!?」

大きな音を聞いてリンが風呂場に飛び込んできた。

「なっ……ななななな」

リンはほぼ全裸の俺と気絶して横たわる幼女を交互に見て絶句した。

「おい、勘違いするなよ。人の気配がしたから石鹸を投げたんだ。そしたらこいつが落ちてきたんだ」

「そ、そうなの?」

完全に勘違いしてるな……こいつ。

「こいつをとりあえず部屋に運んでくれ。俺は風呂に入るから」

「あんた……冷静ね」

「こんな世界に連れて来られたんだ。慣れもするさ。王女の変態的な行動にも振り回されてるし」

謎の幼女をリンに任せて俺は湯船に浸かった。

十五分程で風呂から上がった俺は素早く服を着て部屋に戻った。

天井から落ちてきた幼女は裸にタオルを巻いた状態で未だベッドで気を失っている。

「この娘誰なのよ」

「俺に聞かれても困る」

それはこっちが聞きたい。

大体、何で風呂を覗いていたんだ。

「う~ん……」

少しして謎の幼女が目を覚ました。

俺は目覚めた幼女に近付き話しかける。

「おいお前」

「な、何だお前ら!裸のボクを捕まえて何を!」

「何もしねぇし、それはこっちの台詞だ。お前何で風呂覗いてた?」

「ぎくっ!」

うわー……分かりやすいなぁ……

しかも声に出てるし。

(やま)しい事しか無いのか謎の幼女は額に汗を浮かべて瞳を左右に泳がせている。

「ち、ちが、ちがちちちがうの!ぼ、ボクは別に怪しい者ではなくて!その……あの……えと……」

これだけ狼狽(うろた)えておいて怪しくないと言われても信じられない。

幼女は辺りをキョロキョロと見渡すと急にベッドから横っ飛びして部屋の片隅へと転がった。

「な、何だ急に!?」

俺は不意を突かれ少し驚いてしまった。

「あっ!あんた!わたしのリュック何勝手に漁ってんのよ!」

幼女の目当てはリンのリュックだったようだ。

「あった!」

リンのリュックを漁っていた幼女が声をあげた。

そして紅蓮の如き情熱的なパンツを頭に被りニヤリと笑った。

「あんた!それあたしのパンツ!」

リンはパンツを被った幼女に向かって飛びついた。

「待て!リン!」

俺が止めようとした時には既に遅かった。

「自分から突っ込んで来るなんてバカだね」

幼女は素早く拳を作り方膝をついた状態で腰に構えた。

「燃え散れ!熱拳・死焔(しえん)!」

幼女の放った炎の拳はリンの腹部に直撃した。

「かはっ……」

リンは鈍い音と共にピクリとも動かなくなった。

リンに駆け寄りたいが今、あの幼女に近付くのは危険だ……どうする俺。

「お前……変態か!」

「違うよ!ボク、変態なんかじゃないよ!」

幼女は俺に怒鳴りながらパンツを頭から取った。

よし!いける!

「パンツを取ったな!変態!」

「だから変態じゃ……しまった!」

遅い!

俺は素早く幼女の足元にスライディングし足払いをして体勢を崩した。

「うげ!?」

幼女は()けた際に床に後頭部から落下した。

その際に気絶したらしく動かなくなった。

今の内にリンを手当てしよう。

治癒するには白のパンツを被る必要があるんだっけか。

リンのリュックを漁ってみたら白のパンツがあったので俺はそれを被り右手をリンの腹部に翳した。

5分程手を翳しているとリンが「んん……」と声を漏らした。

「リン!」

俺の呼び掛けでリンはゆっくりと目を開けた。

「リン!良かった……無事か」

「何よ。そんなに焦って……」

リンは何事も無かったように身体を起こした。

「あんた……わたしのパンツ被って何してるのよ……」

「お前を治療してたんだろうが!」

「……そっか……わたしあの娘の攻撃を受けて……ごめん……」

リンは俯き小さく呟いた。

「無事だったならいいさ」

俺はリンの頭を撫でてやった。

リンは少し微笑み「ありがと」と口にした。

その後、あの幼女がリンに仕返しされたのは言うまでもない。


「いやああああああああああああ!! ゆるしてえええええええええ!!」

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