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月光図書館  作者: 菜い子
4/12

4,昼だろうと夜だろうと

「僕は昨日美しい本に出会ったのですよ。」

「ふむふむ」

「図書館の閉館後のことです。僕はいつも通り館長さんのご厚意によって、館長さんが鍵を閉めるまで図書館にいさせてもらったわけですが。」

「辺銀。君は図書館の館長と仲がいいのかい?」

「ええ。十年来のお友達も同然の仲のよさです。」

十年来の友達が果たしてどれくらいの仲の良さを誇るのかはわからないが、相当仲がよさそうだ。

「僕は先生のように暗闇で本が読めなくなるわけではないため、昼だろうと夜だろうと関係なく、電気の消えた図書館の中で一人本を物色していたわけですよ。そこで発見してしまったのです。」

「美しい本を?」

「はい。正確にいうのならば、とてつもなく美しい花を。」

「とてつもなく…ねぇ。一度は見てみたいものだ。」



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