表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/15

読み合い騙し合い

「じゃあこの試合は本人の要望通りサラに最初行ってもらうがいいか?」


「はい!大丈夫…ですぅ」


正直な話サラは初戦の後から様子がおかしかったこともあり心配だ。

だが、まぁいいか。


「お前の後には俺やゼクスもいる。気楽に行けばいいと思うぞ」


「ま、勝ってくれると嬉しいけどね〜」


ゼクスは笑いながら話す。


「はい…頑張ります」


「じゃあ俺とゼクスは待機部屋へ移動しようと思う。頑張れ」


もう俺の声は聞こえていないのか。

サラは集中しながら戦いの場へ歩みを進めていた。


待機部屋へ着くとちょうど試合が始まったようでモニターを見つめる。

サラの相手はカイウス。確か土属性のやつか。



「よろしくお願いしますぅ」


相手の人から挨拶は返ってこなかった。

それはまだいい。そんなことより私が気をつけるべきは初戦の時のような戦いはしないことだ。

冷静に真っ当な戦いをしたい。


息を大きく吐き相手を見つめて、どう攻めるかを考える。


相手はカイウスさん私と同じ土属性。私の得意は近距離。どうやって距離を詰めるべきか…。


「悩んでても意味ないですしね」


地面に手をつく。

サラとカイウスの間の地面が複数盛り上がり、大量の土の壁を生成する。


サラはナイフを作り出し両手に握る。

少し頭を出しカイウスの場所を改めて確認する。


その瞬間——。

「5、いや6本は角度30度、60度90度に4本ずつ発射する」


カイウスが何かを言っている。


「土槍」


サラの作ったナイフのような綺麗な形をしているわけではない。

しかし間違いなく鋭い土の塊が、サラに向かって射出される。


「クッ」


しかも壁の上から降り注ぐ形で迫ってくる。

サラは考えるより前にスライドして横へ避ける。


「もう少し遅かったら何個かは当たってたかも」

直ぐに次の攻撃に備えようと上を見たサラの目の前には土槍があった。


なんで? 2回目が早い。

角度が違った。

時間差?

いや同時に撃っていた。


違う。軌道を変えて同時に撃っていたのだ。だから、ここに届くまでの時間に差があったということ。


ギリギリで体を捻って避けるが2、3個は掠ってしまう。


「俺だったらあの距離で避けるのは無理だな」

観戦していたレイはカイウスの攻撃方法にも驚いていたが、

それよりもほぼゼロ距離の土槍の弾幕を直撃しなかったサラに驚いていた。


「これ、避けられるのか…まぁいい。次は数を増やす」


カイウスはそう呟くと地面から土槍を作り出しては直ぐにサラへ射出した。


「ずっと攻めを譲るのは嫌ですね」


サラは近くにあった土の壁に触り形を変化させる。

そのままカイウスの方へすごい勢いで伸ばしていく。

その際に土槍を巻き込み一時的に攻撃の間の時間を作り出した。


スライド走って土の壁だったものの上を走る。


直ぐに土槍の角度を変えカイウスは射出するが、

サラはスライドしてカイウスの懐に入り込む。


ナイフを振るって攻撃をする瞬間。


なんでしょう?何か見落としてる気がしますぅ。近づくまでの攻撃は全て防ぐなりしたから問題ない。ならその前、土の槍を角度を変えて時間差で攻撃してきていた。その時の角度は30、60、90。

2段階の攻撃しか私のところには来ていない。そして90度つまり真上に撃ったものがまだ落ちてきていないのだとしたらもしかして——。


上を見た瞬間複数の土槍がサラへ向かって落ちてくる。

それをサラは弾き避ける。しかしそのタイミングで再びカイウスには距離を取られてしまう。


近距離での戦闘に持っていきたいところですが、この際遠距離で勝ちに行くつもりで動いた方が良さそうですね。しかし、遠距離の攻撃魔法はあまり使ったことがないです。

ならどうするか。


地面に手を付く。その瞬間付近にあった土の壁が尖りカイウスへ向かって伸びていく。


カイウスは冷静に壁を作り身を守ろうとする。


「ん?」

土の壁だったものは攻撃に使われず自分の後ろへ突き刺さった。さっきみたいにこの上を走ってくるのか?


よく見てみると側面に凹凸がある。

次の相手の動きを見ようと少し顔を出したところに魔法で作ったナイフを投げてきた。

その後も間を空けずにどんどん投げてくるが俺の作った壁で防ぐことができている。


「このまま魔力切れまで待つか?」


呟いた瞬間右腕に激痛が走る。


は?


右腕にナイフが刺さっている。

考えがまとまらず右を見てみるとナイフがさっきの相手の壁の側面に向かって投げられている。

壁の側面にあたり軌道が変わる。


「なるほど」


土の壁を左右に展開して防ぐ。


「これでとりあえずは防げる」


いや、本当か?こう思った時に毎回不意を突かれてきた。土槍を避けた時もどっちかというと感覚はのようだった。なら次は何をしてくるか——。

金属製の棒を作って開いている上に向けて突き出す。

ちょうどそこにサラさんが居たようで攻撃を防いできた。


「やっぱり」


ナイフを投げ続けると言っても近づきながらできないことではない。最初の戦い方から近距離での戦闘が得意なことは容易にわかる。

攻め手を変えたとして自分の得意に持っていけるなら間違いなく持っていくだろうしな。


サラさんは壁の内側に入ってきた。衝撃を吸収するためかしゃがみながら着地する。

これではこの武器じゃ攻撃はしずらい。直ぐに短めのデカいハンマーを作って攻撃する。


縦方向の攻撃はダメだ。多分避けられる。横の攻撃ならあの姿勢からは避けられない。


攻撃をする瞬間地面が盛り上がる。

サラさんごと上に上がり攻撃を避けられた。

でも、そこから決定打は打てない。そう思っていた。


盛り上がった地面は想像以上に脆くハンマーでの攻撃で一部崩れてしまった。

だるま落としのようにちょうどいい高さへ降りてきたサラさんは足に刃を付けていた。

そのまま攻撃を受ける。


これはダメだ。確実に致命傷、これで自分のリタイアは決定した。なら、転送される前に少しでも削っておく!

でかい剣を作り出す。

サラさんは盛り上がった地面の裏へ落ちるように逃げる。

だが、この地面は脆く盾にはなり得ない。

そうして振るった剣は土の塊を切り裂いたがその奥に人影はなかった。


——少し前、サラは近距離戦に持っていき奇襲で勝負を決めようと相手の間合いまで迫っていた。


え、読まれた?

相手の壁の上に登り奇襲を仕掛けようとしていたサラは驚愕した。

ナイフを使って遠距離に徹している風に見せていたはずだ。

跳弾のような攻撃もした。なのに、完全に待ち構えられている。

ここではナイフの自分と相手の得物のリーチの差で不利だ。


即座に壁の中へ入る。このスペースは相手が自分の身を守ろうと土の壁で囲っているため距離を取られない。さらにこの距離なら短いナイフのほうが有利な状態になっている。


すると即座に相手は武器を捨て大きなハンマーを作って攻撃してきた。

この距離この大きさ、普通に避けることは無理、


自身の真下の地面に後ろの土を集めて盛り上げる。

そうして相手の攻撃を避ける。

さらに急いで集めたからか、強度は低かった。

それがいい方向に働いた。ちょうどいい高さに降りてきて攻撃することができた。

これは致命所だ。確実に勝てる。だが、まだ転送までほんの少し時間がある。

相手は剣を作り出した。

私は後ろに落ちて避ける。

強度の低い土ごと私を攻撃しようとするが、私には上がらない。


「何?」


困惑している相手さんに教えてあげる。


「この土の塊は0から作ったわけじゃないです」

「後方の土を無理やり集めただけ、」

「そっちからは見えないかもしれないですけれど、この土の塊の後ろの地面に人が1人入ることができるぐらいの穴があるんです」


カイウスは納得の表情をして、病室へ転送された。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ