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つたない文章ですが、ご容赦ください。完結する予定はありません。細々と続けていくつもりです。
目が覚める。顔を洗う。朝食をとる。準備をして仕事場に向かう。
いつも通りの朝。いつも通りの行動。いつも通りの日程。毎日同じ動きで何も変わらない。これに我慢できないほどの不満があるわけではない。毎月、生活できるだけのお金がもらえて、生きていくのには十分な環境で。やりたいことが特にあるわけではないし、何かを積極的に変えるには十分な動機がない。
そう、俺は変わりたい。心ではそう、いつも思っている。この生活は、少しずつ自分が腐っていく感覚。それが常に俺の中に存在している。学生時代、何も知らずに行動していた時には感じていなかった気持ち。それは、今の生活がそういう状況なのか、それとも昔は自分を縛る鎖に気づいていなかっただけなのか。
おそらくその両方であろう。何も知らずに、知っている範囲内がこの世のすべてであるように感じて、その狭い世界の中で、不自由を自由だと感じて生きていただけ。そして、大人でないという身分が、縛る鎖自体を少なくしていた影響もあった。
しかし、もう子供ではいられない。自分自身で自分自身の面倒を見なければいけない。子供の特権はなくなり、義務だけが存在することになる。いや、今となってみれば、子供の特権など何もなかったのだろう。
権利はまがい物。それであったのにも関わらず、俺は今、子供のころの権利とやらの代償を支払っている。俺には何も変えられないような、物凄い力を背景にあるため、逆らおうという気力すらなく、したがっている。
いや、今あるだろうと思っている物凄い力でさえ、それはまがい物なのかもしれない。今の俺の世界の中ではそれは確かな力だが、世界が広がったとき、俺は今感じている世界をどう見ているのか。
それはまだ、俺にも、誰にもわからない。
これは、何者でもない、小市民の物語。