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第2話 オリエンテーション ①

憂鬱な朝。


それでも、いつもの習慣で日が昇る前に目覚めてしまう。

本来なら、希望に満ち溢れた瞬間だった筈なのに!


一人で目を覚まし、一人で作った朝食を済ませて。

一人で大学の正門をくぐり抜け、一人でオリエンテーション資料配布の列に並び。


親友と共に、楽しく始まるはずだった学生生活。

どこかで割り切らなければならないのは解っていても、漠然としすぎていて流されてしまいそう。


「あ〜っ、このままじゃぁ、駄目だなっ?」


「えっ!?」


思わず出てしまった独り言に、すぐ後ろの銀髪美少女が反応して………


振り向いた視界の隅にその彼女を捉えた瞬間、


「ごめん!これ頼む!!」


「えっ!ぅあっ?」


ショルダーバッグをその見ず知らずの美少女に押し付けダッシュ!


「間に会え!」


気合代わりに叫びながら全力で滑り込み、体全体で受け止めたのは、倒れ込んだ女子だった。


「セーフ!!」


そのままの勢いで気絶した女子をお姫様抱っこして立ち上がり、


「君、医務室何処か知ってる?」


「あ?あっあのっ!」


倒れた女子のすぐ後ろにいた地味目な黒髪彼女は、状況を見ていた筈なのに役に立ちそうになかった。

周りにいた殆どの人は、何事が起きたのか把握できていなかった。

このまま自分一人で医務室に運んだら不審者そのものだな?と思いながら周りを伺うと、


「私が一緒に案内してあげる!着いてきて!」


声の主は、ショルダーバッグを押し付けた銀髪美少女。

助かったと思いながら、


「ありがとう!頼む!」


礼を言いつつ、小走りで彼女の後に続く。


『あっ、女の子ってこんなにも柔らかいんだ!』


抱っこした子が地味めながら好みの容姿で『役得?』と思ったのは内緒で。


「コッチよ!」


角を一つ曲がり、暫し走り続け辿り着いた医務室。


医務官?に促されるまま気を失った少女をベッドに横たわらせてから簡単に状況を説明し、直ぐに二人してオリエンテーションの列に戻ろうとしたのだが………

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