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時空 まほろの短篇集

「二人は天才!? ~スマイル作戦!~」

◍この作品は『第4回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』参加作品です。

「はあ~……」

この頃みいちゃんとかけるくんの姉弟のお母さんはずっと溜め息をついてばかり。

どこか遠くを見ては、

「はあ~」

と溜め息。

お料理をしてても。

「はあ~」

本当に、溜め息ばかりです。

そこでみいちゃんとかけるくんは考えました。

『お母さんはどうしたら溜め息ばかり付くのを止めてくれるのか?』

二人はうーんとうんと考えました。

「お母さんのお手伝いをしよう!」

みいちゃんが言うと、かけるくんが首を振ります。

「それじゃあ普通だよ」

今度はかけるくんが言います。

「お母さんを笑わせようよ。そうしたら良いかもしれない」

「どうしたら、笑ってくれるかなー」

みいちゃんが首を傾けました。

かけるくんまで首を傾けてお姉ちゃんの真似をします。

「面白い顔をしてみようよ」

そこで二人は本を読んでいたお母さんの目の前に立つと、

「にゅう~っ」

「ぷぷう~ん」

と変な顔を作ってみました。

それなのに、お母さんは本に夢中で気付いてくれません。

残念、失敗です。

次に二人は洗濯物を畳んでいたお母さんの前に行くと。

「アルミ缶の上に有るミカン!」

「布団が吹っ飛んだ!」

渾身の知っているダジャレを言いました。

しかしお母さんは考え事をしているのか、聞いていないようでした。

また失敗です。

「もうどうしよう~」

かけるくんがジタバタとします。

一生懸命、お姉ちゃんとしてみいちゃんは考えます。

「そうだ!」

みいちゃんが思いついたことをかけるくんの耳にこしょこしょと囁きます。

一体みいちゃんは何を思いついたのでしょうか?

ある日。

お母さんが用事で出かけて夕方帰ってきました。

すると、家の中が真っ暗です。

「みいちゃんとかけるくんがお留守番している筈なのに」

不思議に思ったお母さんが玄関を開けて部屋へ入ると。

パッと突然明かりが点きます。

何処からか音楽が流れてきました。

それは、お母さんが好きなミュージカルの曲でした。

ある所に笑わないことで有名なお父さんが居て、娘が一生懸命笑わすという内容です。

驚いているお母さんの前に、みいちゃんとかけるくんが現れて。

「「ママ笑って!」」

と歌い出しました。

二人はミュージカルの真似をしたのです。

滑稽なダンスと台詞にお母さんはとうとう笑いました。

「上手ね! 二人は天才ね!」

そして謝りました。

「ごめんね、みいちゃんかけるくん。実はねお母さん赤ちゃんが生まれるの。それで悩んでて」

二人はびっくりしました。

とっても嬉しい告白に二人も笑顔になりました。




お読みくださり、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「なろうラジオ大賞4」から拝読させていただきました。 優しい子どもたちですね。 いいお姉ちゃんお兄ちゃんになりそうです。
[一言] ええ話や……(*´ω`*) それではたらこも一つ。 この100円。ひゃー!食えん! ……失礼しました(^-^;
[良い点] お母さんのためにと考える2人がとても可愛いお話でした。ラスト、読んでいて嬉しかったです。きっとお世話も手伝ってくれますね♪ 読ませていただき有り難うございました。
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