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「お嬢様も人が悪い...」勘違い腹黒執事の日記帳  作者: 月と兎と雪
お嬢様11歳 爆竹事件(4/13~4/14)
4/9

日記No,3『ピュアな悪魔』『和製マリー=アントワネット=ジョゼフ=ジャンヌ・ド・アプスブール=ロレーヌ』

 お嬢様ノート No,3   記 お嬢様の執事

 

 はぁ...あわやクビになるかと、ショック死するかと思いました...。

 ですが...ですが....お嬢様が僕の身体の心配をしてくれていたなんて.....。

 あぁ...泣きそう。

 きっと僕が、20代後半ぐらいだったならボロボロ泣いてましたね、あれは。

 だって、今ですら涙目ですもん。

 ずびびびーって、鼻かんだら出ますもん。

 

 コホン...。


 お嬢様。トチ狂ったところは多々ありますが、微々たるものでありますが、着実に大人になられていますね。

 貴女様の執事として成長を見守れること、今は光栄に思います。今は。




 お嬢様 11歳 4月 14日 (同日)『ピュアな悪魔』『和製マリー=アントワネット=ジョゼフ=ジャンヌ・ド・アプスブール=ロレーヌ』


 今回問題を起こしたのは恥ずかしながら...執事です。

 木に登っているところをお嬢様に発見され、危ないでしょ!と散々説教されました。

 自分の歳の半分くらいしかない、11歳の女の子にですよ?

 なんだか...自分が情けなくなりました...。

 ですが...この記録は...お嬢様に将来反省してもらうためのもの...。

 結果的に説教された仕返しのようになってしまいますが...情けないとは思いますが...お嬢様のことも書かせていただきます...。

 誓って言います。仕返しではありません。

 が、二本立てです。


 これは説教の後の出来事です。覚えてる限りですが。


 お嬢様が「執事に何かあったら困るのは...私なのよ..」木登りという無茶?をした僕を遠回しに心配をしてくれました。

 まるでツンデレ発言。を再三言ってくれたので、木々に害鳥対策グッズ。

 【ギラギラディスク~~】を取り付けるのを断念するのでした。

 例えお嬢様にその気がなくても、今後は軽々しく口にしてはいけませよ?

 

 「きっと私...あなたが居なくなってしまったら....生きていけないわ...」なんて。

 

 男は皆馬鹿ばっかですので、お嬢様の綺麗に整ったお顔立ちでそんな甘い言葉を呟かれたら勘違いしてしまいます。僕含めて。


 あ..あれ?まさか..お嬢様、僕のこと本当にお好きですか?

 あはは...マタイイヨウ二アソバレテイマスネ、コレハ...それとも...無自覚?


 異性を勘違いさせるような発言はお控えください。何故か無性に泣きたくなりました。反省してください、お嬢様。


 お嬢様。大人な僕からアドバイスです。



 『無自覚ほど、残酷なものもないんですよ?』



 ◇『ピュアな悪魔』おしまい◇



 「執事。本当にどこも痛いところはない?本当に怪我してない?」

 その甘い声で心配されるだけでグサグサ胸が痛みます。それ無自覚ですか?わざとですか?

 「お気遣いありがとうございます。でも、どこも負傷していませんよ」

 心以外は。

 「そうなのね。なら...いいの...。あ..服の下は?大丈夫?」

 いいえ、大丈夫じゃありません。進行形で弄ばれているようで心が痛いです...。心底心配そうに顔を寄せられるだけで。死にそうなくらい痛いです。やめてください。僕に近づかないでください、今だけは。

 「本当に大丈夫ですよ、お嬢様。そういうことでしたら全ての服を脱いで見せましょうか?」

 せめてもの抵抗として冗談を一つ。

 「!」

 するとピクン!とお嬢様が反応しました。

 「な..ななななななな何を言ってるのエッチ!」

 ワーオ。随分と初心(うぶ)な反応を頂けました。

 「も..申し訳ありませんでした。あまりにも心配していただいたので、もはや直接ご自身の目で確認していただいた方がよろしいかと思いまして...」

 「.......」

 「本当に申し訳ありませんでした____」

 

 あぁ....やっぱりお嬢様の心は清いまま。それに比べて僕はなんて黒いんだ...。

 優しさからくる純粋な行為を、弄ばれているのではと?あらぬ誤解を...大変失礼しました。

 そうですよ。お嬢様はピュアを体現したようなお方。正にエンジェル。

 本当は...真っ黒な僕なんて傍にいない方がいいんでしょうね....。

 ですが、黒いからこそ、黒さというものを知っているからこそお嬢様を守れるというもの。

 そうです。時が来るまでお嬢様のピュアを僕が守ります。

 

 ◇  ◇


 一段落せず無理に話題を変えました。

 僕の発言で微妙な空気が漂ってしまったので。

 「____それでですね、はい。怪我のリスクのない鳥さん追い払い作戦のプランですが、あー...違う案を今すぐ考えますね」

 光の反射を利用した害鳥対策は練りに練った案だっただけに正直....うわっ...詰んだぁ...と頭真っ白になりましたが、そこにお嬢様が助け舟を出してくれました。

 「.....。あ....そ、それならもう大丈夫よ。執事のことだから、散々考えてくれたんでしょう?」

 「確かにそうですが...」

 「私は一生懸命頑張った人に更に、頑張れっ...て言うような非道な女じゃないの。よく覚えておいて」

 「は...はぁ...。そうしましたら恐らくですが明日の早朝もまた、煩いままとなりますが、どうなさるおつもりですか?」

 「そんなの簡単よ」


 「そこに止まり木があるからいけないの。木なんて全部切り倒してしまえばいいじゃない」


 な...なんて横暴な。

 かの王妃マリー=アントワネット....以下略が言ったとか言わないとかされているあの名言。

 パンが...以下略のやつです。

 勝手ながらそれに酷似していると思いました。


 「そ、それは...流石にやり過ぎではないかと...」

 「あら...そうかしら。じゃあ....」

 

 「執事。あなたを爆竹係に任命します♪」


 笑顔で..なんですと~!?


 お嬢様、それでは何も解決していません。反省...はしなくていいですね。ですが、マリー=アントワネット....以下略に似通った考えは横暴かと思います。やはり、反省してください。



 ◇お嬢様ノートNo,3『ピュアな悪魔』『和製マリー=アントワネット=ジョゼフ=ジャンヌ・ド・アプスブール=ロレーヌ』おしまい◇


 

 これは後日談。

 翌日。執事が爆竹片手に日の出を待っていました。

 そして待ちに待った日の出の時。

 なんと鳥たちは来ませんでした。

 どうやら、鳥頭でも二日連チャンの爆竹は流石に効いたみたいです。


 くっしゅん。「....戻りますか」

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