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坊っちゃんとロタ好き執事  作者: さもてん
11/16

舞踏会

「そういやぁそんなこともあったな。」


長椅子の上で寛ぎながらアルバート・バイル(16歳)は優雅に茶を飲む。


「………エド、この紅茶ちょっと熱い。」


「それはそれは大変失礼いたしました。すぐにお作り直し致します。」


「いや、氷を入れてくれ。」


西洋から氷というものが届いた。なんでも水を固めて冷たくしたものらしい。


食べ物や飲み物を冷やすときに使えるとのことで、大変重宝している。


「承知いたしました。」


さて、と。

俺はエドが出て行ったタイミングを図り見て

机の中に入れていた資料を取り出して思考する。


これはエドから出された、宿題みたいなものだ。打つ隙もない立派な経営者(なのか?よく知らんが)になる為に日々こうした課題が与えられる。


(あのハゲ狸の所の目玉商品を抜き取れだって?………無理に決まってんだろぉぉ!?)


否、無理難題な問題を押し付けられる。

エドの友達がどうやらよく名の知れたかの有名ブランドの経営者である。


その人はあのポッター卿のブランドにも携わった大物だそうで、もとは庶民出身だそうだ。

今ではそこら辺の貴族に負けないほどの金を手にして、庶民という身分で戦っている。

しかし人気を得ているのが貴族層だと言うのだからすごい。


そんなすごい人の友人であるという理由でエドは彼から直々に俺に対する宿題を作って貰っている。


「失礼します。」


ドアがノックされて、再びエドが入ってきた。


時々思う、お前は一体何者なんだ?と。

 


★☆☆☆


「舞踏会?」


「左様でございます。坊ちゃんはもう11歳になられるのに、バーで遊び呆けるあまりすっかりいき遅れてしまっています。名門校で首席入学した今こそ、社交界に出る必要があります!」


「へぇ、そんなに必要なものなのか?」


「社交界な出たかどうかによって将来儲けが出るかどうかの差が大きく変わります。こうやって社交界の貴族方のご機嫌伺いをすることは貴方のあんなご両親でさえ、やっておられる事ですよ?」


「『あんな』って言うな。」


「失礼、お耳汚しを。」


全然反省していないと分かるのはアホみたいに大袈裟で丁寧な礼をしたからだ。


「それで?俺は舞踏会に行くにあたってどうすれば良いんだ?」


「まずはドレスをきていただきます。」


「そうか、じゃあポッター卿ブランドのあの青い服にしよう。」

俺はみんなにあの服を見せるのを想像してワクワクした。


「はぁーーーーーー。」そう言った俺を見てエドワードは大きな深いため息をつく。


「坊ちゃん、こう言ってはなんですが



    坊ちゃんはアンポンタンですか?」


「………あ"?」


「そうでなければ、おちんたんですか?おたんこなすですか?」


「……お前、もういっぺん言ってみろ?」


「坊ちゃん、社交界と言うものは初めが肝心なのでございます!!!服のひとつでも品格が問われるのです!!!」


ソファに片足を置きながら拳をぐっと振り上げて熱く語る。


「はぁ……。」


「というわけでこの服を着て下さいな♪」


「ぶっ………!!」


そう言って取り出したのは見ていて恥ずかしくなるほどフリフリキラキラな黒い服だった。


「な、なんだこのフランス人形に着せそうな服は!絶対お前の趣味が入ってるだろ!!」


ロタコン暴露事件からコイツは隠すことなくそんなことをする。


「えへへへ、いいじゃないですかぁ。……それを着れば社交界で注目の的ですよ?」


「違う意味でな!!」


なぜかエドが呆れたような顔をする。

な、なんでお前がそんな目で見るんだよ。


「坊ちゃん、舞踏会ではこんな服は当たり前ですよ?みんな衣装比べの為にここにいると言っても過言じゃないですから。」


「そ、そうなのか?」


執事の後ろで静かに待っていたメイドが全力で首を振るのを俺はしっかりと見た。


☆☆☆☆


俺主催のパーティで集まった人数が50人を超えている。

老若男女、辺り見渡せば貴族、貴族、貴族。


バーのパーティでもここまで集まった事はない。


そして現在俺はというと。


「まぁ、首席でございますか!噂では聞いておられましたがやはり優秀なお方なのねぇ、おほほほほっ。」


「ハ、ハハハ。」


何が楽しくてマダムだのおっさんだのと話さなくちゃならない。


「そのドレス……とっても可愛……よく似合っておられますわよ。おっほほほほ。」


「ハハハ、どーもアリガトウゴザイマス。」


あーーーもう見なくてもエドワードがニコニコしているのが分かる。


奴と目が合うと「ほら?言ったでしょ?」みたいなドヤ顔がうざい。






早く終わんねぇかなぁ。

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