第三話
3話
俺は準備をした
俺はもうあの中学生が9割関わっていると見ている
その為に家の全財産を引き出し、いろいろと準備を済ませていた
8月22日 10時35分
中学生二人組を探す
とりあえず向かいのアパートの二階
あの部屋を訪ねる事にした
201号室
金城
きんじょう
というネームプレートを見る
傑「この部屋のはずだ」
チャイムを鳴らす
が
壊れているようだ、
ノックをする
3回
ドアの向こう側で足音がする
ガチャ
「誰だ」
髭面で白いヨレヨレのTシャツにズボンは履いておらず
トランクスを履いた中年のおっさんだった
凄く酒臭い、こんな時間から呑んでいるのかこいつは
傑「すみません、朝早くに
息子さんに少し用がありましてね
いらっしゃいますか?」
「修司か?今はいねぇよ」
そう言いおっさんはドアを閉めようとした
傑「ちょっとまってください!」
そう言ってドアを押さえた
「なんなんだてめぇはよ!!」
傑「修司君のお父さんですよね?
僕あの向かいの家の住人でして、
前から修司君とその友達に迷惑かけられてまして、
少し注意しに来たんですよ」
そう説明し
傑「修司君はどこにいますか?」
するとお父さんは大きな声で
「なんだぁ!また修司のやつやらかしたのかぁ!」
廊下で大きな声出すなんてなんて非常識なやつだ
「修司はいねぇよ!!とっとと帰れやぁ!!」
怒鳴る
だが俺は微動だにせず
財布から3万円を出し、差し出した
傑「これでどうにか」
そういうと先程まで怒鳴り散らして他奴が急に静かになった
「金で釣るとはな、まあいい
とりあえず入れ」
部屋に上がる
廊下はゴミで散乱し、踏み場がない
ハエがたかり
酷い悪臭が漂う
「ここ座れ」
テーブルは缶ビールのゴミが散乱しており
灰皿にはタバコのゴミが山のようにあった
傑「ありがとうございます、さっそくですが
修司君はどこに?」
修司の父親は全て話してくれた
話によると最近は近くの海でたむろっているらしい
いつも一緒にいる友達は孝典
だそうだ
傑「ありがとうございます」
お礼を言い部屋を出た
他の住民にも、話を聞いて回った
まとめると
201号室の人とは関わりたくないらしい
昔は母親がいたが父親の酒癖の悪さ、DVで離婚したそうだ、毎日怒鳴り声が絶えなかった
他にも修司と孝典
こいつらもここらでは有名な問題児らしい
万引き、バイク盗難、タバコのポイ捨てなど
また、飼い猫を拾ってきては家に監禁し虐めたりもしていたそうだ
クズすぎる、クズ親子
俺は怒りがおさまらなかった
15時10分
俺はあいつらがいるであろう場所に行った
車で向かう
怪しまれないように芝居を打つつもりだ
そこにはいかにも不良な二人組がタバコを吸っていた
2人とも金髪、1人は後ろの髪が肩まで伸びていた
おそらくそいつが修司
もう1人の孝典はかなり太っており顔はニキビだらけでかなり不健康な見た目をしていた
俺は2人に声をかける
傑「修司君と孝典君だね?」
そう言うと2人はこちらを睨む
傑「君たちの担任の先生からさ、話があるって言われて代わりに連れてくるよう頼まれたんだ、」
もちろん嘘でこいつらの担任なぞ知らん
修司「はぁ??誰お前」
大人に対して言葉遣いがなっていないが気にしなかった
傑「担任の先生がね、今外せない用事があるっていうことで代理で僕が頼まれたんだ、
だからさ、先生の家まできてくれないか?」
孝典「ばーか、行くわけねぇよ、めんどくせぇ」
話は信じているようだが
そう簡単にきてくれないな
傑「頼むよー、絶対連れてきてと頼まれてるんだ」
傑「あ!そうだ、君たちお腹すかないか?
良かったら飯奢るよ」
誘拐犯の気分だ
修司「あー、腹減ってるかも」
孝典「おー、おごりなら行こうかな」
ちょろいガキ共だ、まあ金のないやつらは当然か
修司「ガストロいこーぜー」
孝典「お、焼肉いいね、
じゃあ焼肉食べたら先生の家行ってやるよ」
上から目線のガキ
教育なんてまともに受けた事ないんだろうな
ということでこいつらを車に乗せて店まで向かう
ガストロとはバイキング形式の焼肉食べ放題の店だ
地元ではかなり有名な店
値段もリーズナブルで肉の種類も豊富でサイドメニューも申し分ない
それにディナーだとデザートも食べ放題らしい
それにしてもこいつらはよく食うな
だが食事のマナーが汚すぎる
箸の持ち方がグーだし
足あげてるし
くちゃくちゃ音を立てる
傑「飲み物持ってくるけど何飲む?」
修司「コーラで」
孝典「じゃあ俺はメロンソーダ」
ガキだな、お茶とか水飲めよ、
って思ったがどうでもよかった
そしてドリンクバーに向かう傑
コーラとメロンソーダをコップに注ぎ
ポケットから睡眠薬を取り出した
傑はそれを飲み物にまぜた
食事を済ませ、車に乗り込む
どうやら睡眠薬が効いているようだ
俺はそのまま車を走らせた
4話に続く