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第一話

全てを失った。


全て。そんな夏の話。




蝉がうるさい、


暑い


そんな日、俺は会社へ向かう



俺、加藤傑かとうすぐる)28歳は1ヶ月前沖縄の離島に家族と引越した。


転勤ってやつだ。


東京と違って沖縄の夏はカラッとしてる。

東京はジメジメした暑さだが、沖縄は湿度が低いらしい。


だけど自然!海!山!

こんなにも空気が美味しいと感じるなんて


東京のビル、コンクリートジャングル

窮屈だった東京


その圧倒的な開放感、越してきて良かったって心から感謝だ


傑「あちぃ、、、やっぱり沖縄の夏は本格的な暑さだなぁ

40度超えてるもんな」


沖縄の夏は余裕で40度を超える

東京で40度を超えた日にはニュースになったり騒ぐが


沖縄では普通らしい




今俺は幸せの絶頂に位置する、

美人の妻と、最近生まれた娘

天使だ


家族の為に今日も頑張る俺


だが最近残業続きで帰りが遅くなりがちだ


傑「今日も遅くなりそうだ。」


妻に遅くなるとLINEをし

仕事に戻る



…8月15日 21時20分


仕事が終わった


傑「やっと終わったぁぁ」


先輩「なあ傑!今から飲みに行かないか??」


傑「すみません先輩!妻が飯作ってまってるんすよーっ!

なので先帰りますね!」


先輩「なら仕方ないなー、また今度誘うよ」


そう言いながら先輩は一人で夜の街に向かう


離島といっても繁華街はあるし、ドンキもある

田舎ってイメージ強かったが、そんなイメージを払拭するには時間は掛からなかった


キャバクラは多いみたいだけど、風俗はあんまりないかな

まあ俺には一生無縁の場所だけどね



一切寄り道せずに帰る


家に帰るのがこんなにも楽しみなんて

はやく妻に会いたい、娘は寝てるだろうが顔がみたい


家に着いたのは22時を回った頃


やはり、買ってよかった


マイホーム


念願の


転勤を機に購入したマイホーム


妻と娘、マイホーム


こんな幸せあるのだろうか



玄関を開けると妻が迎えてくれた


綾音「傑ちゃんお疲れ様!先お風呂にする??」


綾音(あやね31歳)は大学生のときから付き合って一昨年に結婚した、姉さん女房というやつだ

俺にはもったいないくらいな美人で大人の色気がある。あと巨乳だ。

年上というのもあるだろうけど世話焼きでよく俺のことを子ども扱いする


傑「いやぁつかれたつかれた、

風呂にしようかな。 りっちゃんはぐっすり寝てる?」


凛、そう

娘だ


生まれて10ヶ月くらいで

最近喋るようになった


綾音「寝てるから起こさないようにねー」


そう言われ

そーっっと

静かに


娘の顔を拝める


俺の娘、天使


世界平和の象徴だ




傑は風呂をすませ

ご飯を食べ


寝る頃には24時を回っていた



そろそろ寝るか、と

寝室に入る


最近はいつもこの時間帯で寝る


傑「日曜日は絶対海行こうな」


沖縄に越してきてまだ海を見ていない


海なんて東京で見た汚い海で

綺麗な海なんて見たことがないのだ


テレビや雑誌では見たことあるが、めちゃくちゃ綺麗だった、、あんな透明な海


綾音「やっと見れるね!楽しみ」




就寝


8月16日 土


朝8時半には会社へ向かう


娘の顔見て


妻に行ってきますのキス


綾音「安全運転でお願いね、

じゃあお仕事がんばってね」


安全運転で行かせてもらいやす


そう言って今日も家族の為に働く




18時15分


今日も遅くなりそうだな、、


そう思い

妻にLINEを送る


今日も遅くなると




21時14分


やっと終わった仕事


妻に終わったとLINEを送る


が、


前に送ってあるLINEに既読がついてなかった


傑「あれ、寝てるのかな」


育児の疲れで寝てたりするのは珍しくもない


そう思い今日も寄り道せずに帰る




21時45分



鍵で玄関を開ける


開ける


傑「ん?あれ鍵が閉まった?」


もう一回鍵を捻ると空いた


鍵は最初から開いていた


閉め忘れか?と思いながら玄関を開ける



いつも出迎えてくれる可愛い妻


の姿はなかった


電気は付いてるた


付けっぱなしで寝てるのかな?


しかも家で風が吹いていた


庭の窓が開けっぱなしだった


窓を閉め


妻を探す


疲れて途中で寝ちゃったか?


そう思い寝室へ



だが妻の姿は

ない


どこにも



娘のりっちゃん


可愛い天使


見当たらない


二人で出かけているのか?


一瞬頭によぎったが


なにも連絡をせずに出かけたりなんて

したことなかった


顔に滴る汗を拭う


こんな日も暑かった


だがその暑さでかいた汗ではない


だけど現実、家にいないのだ


人間想定してない事に直面すると

一瞬固まる


傑「いったいどこに行ったんだ?

とりあえず電話をしてみるか」


そう思い電話をかけた



部屋中に鳴り響く


着信音


俺の着信音ではない音



妻のスマホはソファーに置いてあった、



スマホも持たずに出かけたのか?


わからない、


しかも妻は沖縄に越してきて


1人で出かけたりなどしたことない、絶対に


知り合いもいないはずだ



理解が追いつかないと同時に


全身が汗でびっしょりだった


とりあえず近くのコンビニや、スーパーに行って探しに行く



だが居るはずなんて


ない


24時18分




警察に電話した


事情を話す


捜索願いを出す



その手続きの最中も

気が気でない


震える、

手先が震える


なにか事件に巻き込まれたなんて


考えたくなかった



朝見た妻と娘の顔を思い出す


涙が流れた


泣く



いったい何処に、、








8月20日



妻と娘に会えた





水死体で。





















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