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いよひ 〜異世界幼女姫だったボクは日本美少女勇者の故郷で平和に暮らす~  作者: 雛宇いはみ
2.3章 〰北陸新幹線と超巨大都市東京のお話〰 〜
55/64

55:転生幼女に朝のイチャイチャの邪魔をされたが

 今日はこの世界に来てから5日目、ボクはこの日本の首都である東京のホテルで新しい朝を迎えた。


 昨夜チオリと緻羽(ちはね)ちゃんと一緒に3人で同じ部屋で寝た。今日ボクも一番早く起きてきた。チオリと緻羽ちゃんはまだ起きていない。だから今ボクはこうやって2人の可愛い寝顔を見つめることができた。しかも今の格好……浴衣(ゆかた)という服を着ている姿は一層魅力的だ。


 そうだ。スマホで写真を撮ろう。こんな可愛い姿を見ていたらいつの間にか、ボクはついスマホを取り出して写真を撮ろうとしている。手が無意識に勝手にね。うん、あくまで無意識だからね!


 盗撮して、もしバレたらまた消されてしまうのかな? でも『バレなければいい』って話だ。


 『カシャ!』


 やったね! これでチオリの寝顔の写真ゲットだ。


 「ふん? 何してるの? イヨヒくん……」


 スマホの写真機(カメラ)の声が聞こえた所為(せい)か、チオリは急に起きてしまった。何という地獄耳だ?


 「なんでもないよ。おはよう」


 ボクはすぐスマホを後ろに隠した。


 「また盗撮した?」

 「……っ!」


 やっぱり気づいた。


 「そんな反応やっぱり。ちょっとスマホ貸して」

 「え? どうするつもりなの?」

 「いいから、スマホを渡して!」

 「嫌だよ。今のチオリはなんか怖い!」


 今渡したら絶対まずい。


 「ふん? 姉ちゃん? イヨヒお姉ちゃん?」


 2人騒いだから緻羽ちゃんまで起きてしまった。


 「あ、緻羽、起きたか。おはよう」

 「おはよう……」

 「ごめん、緻羽ちゃん、起こしてしまったね」

 「ううん。何? 2人朝っぱらからイチャイチャしてるの?」

 「「……!」」


 緻羽ちゃん、よくも起きたらすぐ変なこと言うね!


 「ち、違うよ。今は別に……」


 今の緻羽ちゃんのツッコミでチオリはなんか動揺した。いいタイミングかも。これでチオリは盗撮の件を忘れてくれたら……。


 「さあ、緻羽ちゃんも起きたし。そろそろ朝ご飯を食べに行こう」

 「あ、うん。そうだね」


 助かった! 今ちょうど緻羽ちゃんが起きて助かった。感謝するよ。転生幼女様。




・―――――・ ※




 ホテルを去った後、ボクたちは上野動物園(うえのどうぶつえん)に行ってきた。この世界のいろんな動物はあそこに集まっているようだ。ボクの見たことない動物もいっぱいいるけど、不思議なことに、あっちの世界と似ている動物も少なくない。違う世界なのになぜかな?


 ただし、ここには魔獣はいない。森に入っても魔獣に襲われる心配はないらしい。普通の動物なら、たとえ凶暴な野生動物でも魔獣ほど強くはない。魔獣と違って野生動物は魔法が使えないから。


 昼ご飯は回転寿司(すし)にした。寿司は日本の大人気な料理の一つだそうだ。単なる(めし)(さかな)などの組み合わせのように見えるけど、実際に食べるとすごく美味しいよね。


 そして昼ご飯の後、ボクたち3姉妹は東京駅に行って緻渚(ちなぎ)さんと集合した。矢凪(やなぎ)さん(緻渚さんのお兄さん)も東京駅までボクたちを見送りに来た。


 「また来てね。みんな」

 「じゃ、またね。兄さん」

 「またね。矢凪叔父(おじ)さん」


 そしてボクたち4人は新幹線に乗って、金沢に向かう。そろそろの時間ね。さよなら東京。


 「そういえば、緻渚さんと矢凪さんって兄妹なのに名字違うよね?」


 新幹線の中でボクは緻渚さんに聞いた。


 「ここでは女が結婚したら名字が変わるの。私の元の名字は兄さんと同じ、遊佐(ゆさ)よ。遊佐(ゆさ)緻渚(ちなぎ)

 「そうですか。そういえば緻渚さんの実家って稲城市(いなぎし)でしたね。今の名字、『稲根(いなね)』とは関係あるのですか?」

 「全然関係ないよ。ただの偶然ね。稲根(いなね)は夫である春樹(はるき)さんの名字で」

 「なるほど」

 「実は最初に知り合った時は、私は春樹さんのことを『稲根(いなね)さん』って名字で呼んでいたよ。彼もの私のことを『遊佐(ゆさ)さん』って。でもしばらく付き合っていたらやっと下の名前で呼び合うことになったの」

 「また母さんの恋話(こいばな)が始まった」

 「緻織(ちおり)、またそんな顔。まったく……」


 こんな話が始まると、チオリはまたつまらない顔をした。チオリって本当に恋話(こいばな)苦手だね。


 こんな(ふう)に、家族の昔話(むかしばなし)とか、石川と東京との違いとか、いろいろお喋りしているうちに、新幹線は金沢に向かっていく。




・―――――・ ※




 「……あたし、つい眠ってしまったね」

 「チオリ、起きたか」


 しばらく緻渚さんの恋話(こいばな)を聞いていたら、いつの間にかチオリが眠ってしまった。


 「あたしが眠っている間、また盗撮とかしていなかったよね?」

 「は? いや、ないよ。今回は(・・・)


 うん、今回は(・・・)本当に全然何もしていない。ボクはずっと緻渚さんの話を聞いていたから。


 「本当かな?」

 「うん、本当だよ」

 「じゃ、スマホを見せて、確認してみる」

 「わかった……」


 ボクは自分のスマホをチオリに渡した。今回は本当に何もないから大丈夫だろう。


 「本当にないみたい。それはよかったね」


 確認が済んだら、チオリはスマホを返してくれた。


 「チオリって警戒しすぎ。心外だな」

 「盗撮の常習犯には言われたくないね。日頃(ひごろ)(おこな)いのおかげだよ」

 「まったく、チオリは……」


 まあ、今朝の寝顔の写真はまだ残っているからいい……。


 「あれ?」


 ボクはチオリから返されたスマホを(いじ)って、保存された写真を調べてみたらなぜか朝のあの写真は見つからない……。


 「まさか、さっき……」

 「あ、あたしはちょっとトイレに……」

 「待って、チオリ! (ひど)い!」

 「イヨヒくん、大きい声は周りの人に迷惑だよ」


 ボクにドヤ顔で言い付けをしてから、チオリは振り向いてトイレに向かっていく。


 「もう……」


 チオリって意外と詐欺(さぎ)だった……。でもボクは懲りない(あきらめたりしない)反省しない(めげたりしない)。今度はちゃんとバレずに盗撮(ゲット)して見せるのだからね!


 いろいろ考えているうちに新幹線は進んでいって、また昨日と同じように、富山県の立山(たてやま)壮観(そうかん)な景色が見えてきたけど、その後すぐ雨が降ってきた。東京にいた昨日から先ほどまでは全然雨が降っていなかったのに、この辺りに帰ってきた途端また雨か。さすが北陸名物。本当に戻ったっていう感じだね。


 こうやってボクたちの上京は終わった。今回東京に来たのは戸籍の要件のためだけど、ついでに観光も買い物もできた。一石二鳥(いっせきにちょう)だ。またこんな機会があるといいね。


 なぜかわからないけど、さっきからこの新幹線が東京から離れていくと、心の中でなんか不安のような気持ちが(せま)ってきた。まるでボクはここで何か忘れていたみたいな感じだ。


 いつかまたここに来ることになるのかな? でもそれはまだ先の話だ。


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