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衝撃の事実

 聖ホーリュウ学園の始まりの式は、つまりの所私のいた世界の新入生の入学式と同じである。私の知る体育館とは程遠い、素晴らしくきらびやかな大聖堂で行われた。理事長様のながーいありがたーいお言葉をいただき、在校生代表の生徒会長様(もちろん金髪イケメン)のお言葉、新入生代表(もちろん金髪イケメン)のお言葉と続き無事始まりの式は終了した。


 こーゆーのってどこの世界も似たようなものね、元教師の身としてはとても馴染み深い。

 始まりの式の間にも記憶の結合が徐々に一致していき、ほぼほぼ日常生活には支障ないように思われる。



 正式な学園生活は後日ということで今日は簡単にクラスで顔合わせがあっただけで、あとは自由に過ごす流れみたいだ。

ブルー先生の時みたいに相手の目に視線を合わせると誰も彼もが個人情報丸見えなんだけど、多分これって主人公補整だよね。あまり周りに言わない方が得策か…。

 それにしても見事に生徒の大半が公爵から男爵の爵位持ちの家柄の生徒ばかり。さすがまたの名をお貴族様学園。私みたいな平民は今のところ見られない。いない訳じゃないと思うんだけどな~、転校生の片身狭すぎる辛い時期絶賛体験中である。


 自由に行動を許された新入生逹も行動はまちまちで、貴族社会の方々ばかりだからか顔見知りも多いのだろう。あちらこちらで既にグループができていてお喋りに励んでいたり、お一人様もまぁまぁいるか。そういう私もお一人様ですが。


 広い校舎に感心しつつ、ここは…裏庭的な場所かな?何時の間にやら外に出てきてしまった。無数の薔薇が咲き乱れてそこらじゅう華やかな香りが漂っている。



「は~、すっごい綺麗。見事だわ。」



 滅多にお目にかかれない壮大な薔薇園に気持ち浮かれ、少し奥まで足をのばしてみた。と、人の気配に踏みしめた足を止め、顔を向けるとなにやら薔薇園にお似合いの美男美女カップル発見。

 ん~、角度が悪くて個人情報見えないなぁ。お邪魔だから退散退散。

 お邪魔にならないようそ~っと方向転換と「誰だっ!」と響き渡る美声は同時だった。

 あちゃー気付かれた…。というか、なんだかイベント発生っぽいのは気のせいか?



「すみませんっ!見事な薔薇に奥まで来てしまって…まさか先客がいらっしゃるとは思いもせず、失礼致しました。」



 人付き合いの先手必勝、とりあえず謝る。これ大事。



「いや…薔薇の庭園は誰のものでもない。…大きな声を上げてしまいこちらも失礼した。」



 お気遣いの紳士で助かった。

 ホッと胸を撫で下ろしながら顔を上げると、





*****************


エルフェン・ウル・アカルナ(16)

種族 人間

アカルナ皇家第二皇子 王位継承第二位



LV 18

HP 200

MP 106

攻撃力 80

防御力 56

魔法攻撃力 105

魔法防御力 70

精神力 85

すばやさ 60


魔法属性 火 (アカルナ皇家固有属性)



*****************






攻略対照キター!

金髪碧眼二枚目とかお決まりの王子様ルック!そー言えば始まりの式で新入生代表で壇上に上がってた人だ。頭脳明晰スーパーイケメン王子枠決定!!

 石川オススメキャラ!あいつベタなの好きなんだよな。



「あなたお名前は?」



 続けて声を掛けてきたのはエルフェン王子の少し後ろに佇む少女。





*****************


アクアリータ・プラコット (16)

種族 人間

プラコット公爵令嬢

エルフェン・ウル・アカルナの婚約者


LV 15

HP 110

MP 84

攻撃力 30

防御力 60

魔法攻撃力 59

魔法防御力 60

精神力 50

すばやさ 47



魔法属性 水



*****************




 あ、この子確かエルフェン王子攻略の際もれなくついてくるライバルキャラの悪役令嬢アクアリータちゃんね。ツヤツヤ水色のゆるふわカールヘアの美人さん。こちらを射抜く意思の強そうな眼がとても印象的。あ~、婚約者との逢瀬を邪魔しちゃったから。



「カノン・サークレットと申します。」



失礼の無いようにスカートの端を摘まんで会釈をする。ああ、とても不機嫌なアクアリータちゃんの眼差し。


 どくんっ


 …ん?



「そう…。私はアクアリータ・プラコット。そしてこちらは…」



 どくんっ


 …あっ、あれぇっ!ちょっ!まっ…!おかしいっ!



「あなた大丈夫ですの?凄い顔色が…」



 急に止まってしまった私を心配してアクアリータの白魚のような手が近付いてくる。

 だめだ!やっぱりおかしい!

 体の一部のただならぬ変化に慌てた私は急いでその場を後にしなくてはと焦った。



「すっ!すみませんっ!ちょっと失礼致しますっ!」



 顔を上げる事ができず、口に手を当て急いで校舎の方に駆け出した!!

 自己紹介中に脱け出すという大変な失礼を働かれてポカーンとした二人を置き去りにダッシュ!猛ダッシュ!



 トイレ!トイレーっ!!


 

 それはもう必死な顔で走る美少女に何事かと視線を向ける通行人だったが、ここは貴族子息子女の集まる場所、野暮な詮索などしないのである。




バタンッ!




 やっとのことでたどり着いた人気の無いトイレ。一目散に個室に入り疑惑の箇所を確かめる為、勢いよくスカートを捲し上げた!バサァッッ!!



《 なんでカノンちゃんにカノンくんがあるわけーーー!!!》



 声にならない悲鳴が木霊する。

 そう。あったのです!乙女ゲームの主人公ヒロインの股間にあるはずの無い男性の印が!!オーマイガッ!!

2020年も残りわずか!

皆様良いお年を~(∩´∀`)∩

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