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大和田銀次郎の異世界冒険記  作者: メノクマ
第二章 ハラパン王国
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第4話 おいでませ ゴブリンの森

緑のアイツと初戦闘

テンプレイを出た銀次郎はゴブリンがよく出没するという森へ来ていた。

指南書によると討伐依頼は討伐証明部位を持ち帰ることで完了するとある。

ゴブリンの場合は両目か両耳もしくは生首でも良いとの事。


目や耳を取ったぐらいではまだ生きているだろうが本当良いのだろうか。

最悪生きてるゴブリンから耳だけ削ぎ落とす奴がいてもおかしくないのに。

この辺の事はギルドが決めた事なのだから気にしても仕方ないのだろう。


森に少し入ったところで立ち止まり獲物を探す準備をする。

まずは右手に魔力を集中し、プラシーボを発動した。

今回は〔感覚が鋭くなる〕だ。光が体を包み込む。

さらに銀次郎が生まれ持った超人的な感覚を全力で開放する。

プラシーボの効果も相まって徐々にリミッターが開放されていく。


その結果周囲のゴブリンの位置を特定することに成功。

そこで一旦感覚を落ち着かせて正常な状態に戻していく。

いくら銀次郎が超人的な肉体と精神を持っていたとしても、

リミッターが外れた状態での長時間の行動はできないからだ。


感覚が静まったあと冷静に標的を見定めた結果、

近くにゴブリンが3匹いたのでそちらを襲うことにした。

まるで幽鬼のように気配を殺して徐々に接近していく。

そして近くまで来ると自慢の剛脚で一気に距離を詰める。


まずは一匹目。突っ込んだ勢いのままゴブリンの背中に蹴りを入れる。

蹴りの衝撃で背骨が簡単に砕けて体はくの字に折り曲がり、

腹部の肉が裂けて臓物が飛び出す。一匹目はあえなく絶命した。


銀次郎に気づいた残りの2匹が必死の形相で襲い掛かる。

手前にいたゴブリンが右手に所持した棍棒を叩きつけてくるが、

銀次郎は回避行動をとらず、左手で冷静に棍棒を弾き爆砕。

驚愕するゴブリンを尻目に右拳を頭部に叩き込む。

その衝撃によって頭部が爆発四散し、2匹目のゴブリンも絶命した。


3匹目は恐慌に陥り、背を向けて逃げ出そうとしたがもう遅い。

ゴブリンはすぐさま足を捕まれ、うつ伏せに引き倒される。

ゴブリンの背に乗った銀次郎は左手で首根っこを押さえ右手で頭頂部を掴む。

そして力任せにゴブリンの頭部を無理やり引き千切り殺害した。


ゴブリンの耳を削ぎ落として討伐証明部位を回収した後、胸部を切り裂く。

指南書によるとゴブリン等の魔族には魔石と呼ばれる核があり、

ゴブリンの場合はそれが胸部にあるとのこと。


取り出したゴブリンの魔石は直径2cm程の紫がかった石であった。

輝きは全く無く一見すると価値があるようには見えないのだが、

魔石は人々の生活に根付いた物で様々なことに流用できるらしく、

それがゴブリンの魔石であろうと20ゴッド程度の価値はあるらしい。


銀次郎は魔石を回収した後、一旦休憩をすることにした。

経口補水液を取り出して水分補給をし、頭の中を整理する。


物は試しと武器を使わず素手で戦ってみたところ案外楽勝であった。

駆け出しの冒険者が討伐する相手なのだから強いわけがないのだが、

指南書には基本情報と討伐証明部位が記載してあるだけなのだ。


実際に戦ってみたり資料を手に入れるなどしないと詳細は分からない。

モンスター図鑑などあれば是非とも購入しておきたいところだ。


とりあえず三匹ほど狩ったのでギルドに戻ろうとしたその時、

突如として風に殺気が混ざりだし、森の空気が微妙に変化した。


この状況はもしかしてフラグが立ったというやつではなかろうか。

銀次郎にはこの流れに思い当たる節があったのだ。


こんな風にいきなり雰囲気が変化した場合にまず起きる事といえば、

普段この場所では見ないような強敵が出現するパターンか、

駆け出し冒険者が魔族に襲われているパターンのどちらかなのだ。


殺気が伝わってきたのは森の奥で、ゴブリンと人間の気配がある場所だ。

急行するべきだろう。人間側のサポートが銀次郎の本来の仕事なのだから。


剛脚で大地をを蹴り飛ばし現場へ駆けつけるとそこで待っていたのは、

罠にかかって動けない冒険者パーティーと異様な風貌のゴブリンだった。

通常のゴブリンよりも筋肉質で体が大きいのだがやたらクネクネしている。


危険な状況だ。このままでは冒険者達の大切な物が奪われてしまう。

あれはゴブリンの進化先であるホブゴブリンの亜種であるホモゴブリンだ。

奴は男の冒険者を見境無く襲い貞操を奪っていく脅威の雄ゴブリンなのだ。


「大丈夫か!今助けてやるからな!少し待っててくれ!」


呼びかけに反応した冒険者達が一斉に銀次郎に目を向ける。

見るからに屈強な男が自分達を助けようとしてくれている。

銀次郎を見ていたその目に次第に希望が込められていく。


「頼む!こんなところでバケモンにやられるなんて絶対に嫌だ!」


銀次郎は冒険者とホモゴブリンとの間に入りこみ戦闘体勢に移行する。

するとホモゴブリンは先制攻撃を仕掛けるべく動き出した。


まず行われたのは投石。恐らく初速は180キロを越えている。

銀次郎が愛刀で弾くも次々に拳大の石を投擲する。

上位種ということもあり明らかにゴブリンよりも判断が早い。


恐らくは銀次郎の風貌から近接戦闘の力量差を即座に推察し、

先ほどのやり取りを見て冒険者の仲間だと判断したのだろう。

結果確実に倒すためには捕らえた冒険者を人質にするのもやむなしとした。

後ろに守るべき冒険者達がいるため投石を避ける事は無いとの判断である。


投石が全て弾かれる様子を見てこの攻撃は無意味と判断したのか、

ホモゴブリンは投石をやめると徐々に銀次郎へ接近する。


足を止めたホモゴブリンの体から魔力が漏れ出した。

基本的にゴブリンメイジ以外のゴブリンは魔法が使えないのだが、

ホモゴブリンには例外的に魔法が使える個体も存在するのだ。


ホモゴブリンが使用した魔法はストーンバレットという初級魔法。

今までに銀次郎が弾いた全ての石が襲い掛かる。

あの投石はこうなる状況を見越しての布石でもあったようだ。

確かにこれならば石の勢いはほぼ減衰しないため威力があるし、

大量の石が周囲にまとまったおかげで一度の魔法で最大の効力が期待できる。

恐らく一度しか唱えられないためにこのような行動をとったのだろう。


ならばと銀次郎は防御体勢に移行し、そのつぶての群れをその体に受ける。

そこに機を見出していたのかホモゴブリンが急接近する。

そういえば魔法を打つ前に何故か距離を詰めていた。

あのとき徐々に近づいてきたのもこのためであったのだろう。


両腕がふさがった銀次郎にホモゴブリンがタックルをきめる。

殺人用に開発されたタックル。日本では日○タックルと呼ばれている技だ。

だが動かない。押せども引けども微動だにしないのだ。

ホモゴブリンには見抜けなかった。銀次郎は普通の人間ではないのだ。

地に根を張った銀次郎の自重は10tトラックの突撃でも揺らぐ事はない。


ホモゴブリンは自分がハメられたことに気づいた。

一撃を確実に当てるためにこの体勢に誘い込まれたのだと。


そして刹那の合間お互いの思考が交わされる。

結果先に仕掛けたのは体勢有利の銀次郎であった。

十二分に自重の乗った右膝蹴りをホモゴブリンの顎に向けて放つ。

対するホモゴブリンは体勢不利のため避けることができず受けを選択。

腕を十字に交差しそれを受ける。いわゆる十字受けである。


ホモゴブリンは思考を切り替え反撃に出ようとするが体に力が入らない。

膝蹴りの一撃だけで両腕が破壊され自らは上空へ投げ出されていたのだ。

その時既に銀次郎は自慢の筋肉をしならせ投擲体勢に入っていた。

異常なまでの回転をかけ投擲された愛刀がホモゴブリンを強襲する。

それぞれが左足の膝下と胴を切裂きホモゴブリンは絶命に至った。


しばしの静寂、そして沸きあがる歓声。冒険者達の魂の叫びである。

声援を背に受けつつ愛刀と共にホモゴブリンの素材を回収した銀次郎は、

冒険者達を捕らえていた罠を破壊。無事に救出を成功させたのである。


冒険者と少し話をした後、長居は無用と皆でギルドに帰還することにした。

「読者殿・・・長かっただろう。僕も編集に疲れたんだ。

なんだかとてもエタりたいんだ・・・読者殿・・・」


更新未定です

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