第7話
隊長のブリュノ・ヌイマンは、侵略国ザールの軍人だった。
ヌイマンは、ザールではアルトワ俘虜により編成された部隊を率いていた。
彼らは最も厳しい前線に送られた。
絶望の中で戦う俘虜たち。
ヌイマンはなんとか考えて、彼らを死なせないように努力した。
しかし死亡率が低いと、より厳しい前線に追い立てられた。
彼は気付く。
これは処刑なのだ。
殺されるために、彼らは戦っているのだ。
彼は絶望した。
故国ザールに…
人間に…
ある日、彼は作戦と偽って部隊員の俘虜たちに、ザール支配領域を脱出させた。
そしていったんだ。
「君たちは自由だ。好きにしていい」
はじめはキョトンとしていた俘虜たちだったが、事情が分かると狂喜した。
帰ることができないと思っていた故郷に帰れるのだ!
しかし、彼らは気付く。
オレたちには帰る場所がある。
だが、隊長はどうするのか。
祖国は今だにザールの支配下だ。
祖国解放のために、戦わなければならない。
この隊長の戦略の腕は、今まで見てきた。
「あなたは我々を人間として扱ってくれた。だから我々もあなたをひとりの人間として見ている」
俘虜たちは彼に義勇軍部隊の隊長を依頼した。
彼の心の中でどんな葛藤があったかはわからない。
彼はアルトワ国の義勇軍に参加した。