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第1話
23年前になるのかな…
ボクは、ベルガ国の王立アカデミーの学生だった。
当時、王立アカデミーには、地方貴族の子供はコネを作りに行った。
本当に勉強のできる人間は半分くらいで、他はみんなそんな連中だった。
だから学生生活といっても、コネづくりに力を入れていたので、遊びみたいなものだったよ。
毎日面白おかしく暮らしていた。
ところが、アカデミーの2年目に、あの戦争が始まったんだ…
隣々国で軍事色を強めていたザール国が、隣国の農業国アルトワへ侵略した。
最先端に組織化されたザール国軍にアルトワ国軍はひとたまりもなかった。
アルトワ国を追われた人々は、我が国ベルガの国境のあたりに、難民村を作った。
慈悲深いベルガ国王は、難民村で人々に施しを与えた。
ボクらアカデミーの学生たちは、正義感から我も我もと難民村に向かい、その作業を手伝ったんだ。