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エピローグ
思えばキッカケは彼の息子の名前だった。
私がベルガ国の王立アカデミーに入学したとき、同級生にプーサンという名前の人がいた。
ベルガ国の貴族らしかったが、その名前に違和感を覚えつつも親しくなり、彼の実家に遊びに行ったとき、アルトワ国の勲章があるのを見つけた。
それを不思議に思って調べていると、どうやら彼は祖国奪還戦争の義勇軍兵士だったとわかり、勲章を受けた義勇軍部隊がいわゆるドラゴン部隊しかいないことを突き止めたのだ。
最初、話すことを戸惑っていた彼だが、何度か訪れているうちにしだいに心を開いて話してくれるようになった。
思えば少年の名前が、彼にたどり着かせてくれたとすれば、なんともいえない感慨を持たざるを得ない。
ちなみに、彼の妻の名はフルールという。
何度かお茶を出してもらったが、すてきな女性だった。
モーリス・ルミエール




