第11話
少女の名は、フルールといった。
部隊では年齢が近いということもあり、プーサンとよく話をしていた。
プーサンはそのころにはヌイマン隊長に心酔していて、いかに隊長がスゴイ人かを彼女に語った。
そのせいか、彼女も隊長のことを見直したようだった。
最初のころほど、強くは当たらなくなっていった。
ドラゴンに乗った彼女の役割は、偵察や戦況の確認だった。
刻々と変わる戦況に応じて、隊長は指示を出し、彼女がそれをまた伝える。
そのため、いつでも部隊は有利に状況をとらえて、勝利することができた。
「キミのおかげで部隊に笑顔が戻った。ありがとう」
何かの折りに隊長が彼女にそういうと、
「別にあなたたちのために、やっているんじゃないわ」
彼女は怒ったようにそういったが、満更でもなさそうだった。
そんな彼女がある日、病気にかかってしまった。
熱があっって、フラフラする。
とてもではないが、戦闘に加われる状態ではなかった。
プーサンが、彼女の代役になろうと申し出た。
彼なら背も低いし、ドラゴンにも負担にならない。
「無理しなくてもいいぞ」
そういわれると彼はいった。
「みんなのために乗りたいんだ」
彼女にレクチャーを受けて、ドラゴンと空へ飛びあがる。
初めは上手くいかないように思えたが、数回行なううちに彼も要領をつかんだらしく乗りこなせるようになった。
だが何度目かの飛行で上空に強い風が吹き、プーサンはドラゴンの背中でバランスを崩した。
上手くかわせない為、鐙が引っ掛かり、失速してドラゴンごと地上に落ちそうになった。
このときドラゴンは体を動かし、首を曲げ、口から火を噴いた。
少年との紐を焼き切ったのである。
おかげでドラゴンは体勢を立て直し、再び空に舞い上がることができた。
しかし、少年は?
ドラゴンの火で焼かれ黒焦げになった彼は、地表にたたきつけられ息絶えた。




