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第9話
ドラゴンは人間に駆逐され、アルトワ国の山奥にしか生存していなかったが、彼らがいれば、戦局を変えられると踏んだヌイマンはドラゴン狩りに向かった。
草に分け入り、いくつもの山を越え、ドラゴンがいる山脈へと兵を進める。
ドラゴンはいた。
その場所に近づくと、空には彼らが舞い、火を吐くのが見えた。
生け捕りにするのだ。
そのとき、現れたのが少女だった。
「あなたたちは誰?」
ボクは彼女を見たことがある。
そうだ! あの子だ!
ボクは、はっきりと思いだした。
難民村で強姦されそうになったあの少女だった。
彼女は難民村を出て、ここに辿り着いたという。
ドラゴンは、なでるとそっぽを向くようなのもいるけれど、優しいドラゴンもいるそうだ。
彼女はその優しいドラゴンに、グロンドという名前を付けていた。
ヌイマンはいった。
「祖国奪還のために、力を貸してほしい」
彼女がいれば、ドラゴンを使って、戦闘ができる。
彼は勝利を確信した。
「嫌よ」
彼女はきっぱりといった。
「人間は人間同士で殺しあえばいいわ。私たちに関係ない」
「そうか…」
ヌイマンはしばらく彼女を説得しようとしたが、その決意が固いことを知ると、引き下がった。




