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編集者の序文
私は、この小説の筆者である友人による雑多な手記や手稿を可能な限りここに集めました。彼たっての願いにより、非力ながら私は、彼の記録を小説風に仕立て上げ、なんとかここまで記すことができました。
筆者自身である彼はどこに行ったのかといえば、正直、わかりません。ただ、旅に出るから、これらのことをお願いしたい、と言うばかりでしたし、幾ばくかの金銭を勝手に押し付けていった手前、私の本業とは別に、この仕事に従事する羽目になったという次第です。
またタイトルをはじめ、彼の意向を最大限考慮した構成にしました。
一部資料が未発見のため、整合性に欠ける部分があるかと思いますが、何卒、ご容赦頂ければ幸いです。