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武器投下

滝斗は施設の南側の集光パネルの下に飛ばされた。

近くに看板が張り付けてあったので読んでみる。

漢字でも英語でもない、ひらがなを崩したような形状の文字が書かれている。

カレンダーも日本にあるものとは違い、6週間しか無い。数字らしき記号も見た事が無いものだった。

「これがパラフの文字か…」

滝斗は自分が遠い国にいるのだと再認識をした。


ガスラット側もグルになった税金対策か、発電停止による間接的攻撃かはわからない。

もしかしたらモティール社自体、いやパラフ国すらもこのデスゲームに絡んでいるかも知れない。

とにかくこの施設が使えなくなって喜ぶ者が居るのは確かだ。でなければこんな所にまで参加者が輸送される必要が無い。

デスゲームを開催したいのであれば、現地で適当に人を集めればいいのだ。

このデスゲームは色々な利権がからんでいる。そうはわかっているのだが、どうにもならない。

今はただ殺し合うことしか出来ない。

しかし利害関係が複雑であればある程、崩すのは簡単だ。ガスラットを味方に出来る可能性もわずかだがあると思える。

どうにかして外部と通信しなければ。しかし、どうやって。そして誰に。

どこかのデスゲームでは「質問権利付き携帯電話」が支給武器の1つだったりもしたらしい。

それをうまく使えば外部と連絡が可能になると滝斗は思う。本当にわずかな確率だが。

だが今回のデスゲームにそれが配られているとは思えない。仮に配られていたとして、所有者が素直に貸してくれるだろうか。

既に質問権利を使い切っている可能性も高い。ゲームが始まっても状況を理解出来なかった奴等だ、その可能性はある。

ふと上を見ると黄色い塊が浮いていた。これがカメラの役割をしているらしい。

その隣には赤い塊が浮いていて、滝斗の目の前に降りてきた。そして、武器と食料の入った黒い鞄を地面にポイッと落としてから消えた。

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