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枕の下に 希望の上に(8)

融解スパン


近くの鯉のぼりが

雨に濡れて

ぐったりしている

灰色の雲に

三色の色合いは

明るかった

行き交う車が

大きな水溜りを動かして

映っていた色が

その中で靡いていた




赤い箱の中に

葉書を入れると

黒い傘は

くるりと回って

来た道を帰って行く

老齢の人だった

坂道をシャンと歩く

足取りに

意味など無いが

有るように感じて

点になるまで眺めていた




川の増水は

茶色を濃くして

大量のカフェオレが

泡立ちながら

流れる光景になった

家に帰る事にして

ゆっくりと

視界を住宅街へ向ける

遠ざかる水音は

途中から雑音になった




自宅のテーブルには

デコポンが置いてあった

随分と巨乳である

その柑橘の香りは

少しだけ

心情の雑味を消した

口にしたら

まだ少し酸っぱい

まだまだのような気がして

何故だかそれが

頗る嬉しかった








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