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守りたいもののために

時間の余裕があるので、今回からちょっと投稿ペースを上げます。

とは言え、週2回ペースが今の所の限界ですのであしからず

 間章


「・・・・・・」

「すーすー」

「もうたべれないれす~」

「んん、ますたぁ・・・」

「・・・あるじぃ」

「・・・スヤァ」


 妙に寝苦しいと思ったら、バエル達が添い寝する形で俺の手足に抱きついていた。どうしてこうなったかはさっぱりだが一つだけ言えることがある。それは、俺の理性が粉砕寸前です。

 理由?自分、獣人や亜人フェチなんです。色々とやばいです。とは言え、彼女達に手を出したら色々と負けた気がするので二度寝することにした。


~~~~~~


「全く、俺が手を出していたらどうなっていた事やら・・・」

「ごめんごめん。まさかあんな時間まで寝るとは思っていなかったよ!」

 俺達が目を覚ましたのは、昼食の時間のちょっと前だった。

 『銀の翼』が来てから1ヶ月、普通のダンジョンでは取れない素材やら武器やらが話題になったため、冒険者ギルドや商業ギルドが多く集まる一大ダンジョン国家となった。

 それと同時に、俺の配下であるソロモン72柱が管理しているダンジョン間での交通網を良くするため、鉄道と自動車を導入した。これで長距離での大規模輸送を可能にし、迅速かつ安全に流通させる事ができる。

 ただ、自動車はダンジョン間で乗り換えれば大丈夫だが鉄道の場合、いかに途切れる事なく長距離を移動させる事が最大の焦点になる。なぜなら、どこぞやの進撃の◯人のようにダンジョンの中心たる場所を三重の壁で囲っているため、このダンジョンでは地下鉄として利用している。

 とは言え、真っ暗な洞窟の中をただ移動するだけでは面白みがないので、本来ならそこに存在しているであろう場所の風景を移動中に見せる事にした。

 これだけ壮大な計画には膨大な魔力を消費するが、それを補って余りある魔力と自動回復システム。この2つがなければ、こんな計画を実行しようと思わなかっただろう。

「しっかし、これだけの物流をどうやって管理するかって時にあれを出すなんて考えもいかなかったよ」

「骸骨頭のワイト・キングの事だろ?正直に言えばあれは一種の賭けだったんだ」

 そう。今までに得た情報を総括すると、馬車はあるが鉄道や自動車などの産業革命以降に普及した科学技術の粋はなかった。そのため、普通の人間や亜人達に教えようとすると、物凄い時間がかかる上、その技術を盗まれたりしたら大変な事になる。そのため、信頼できる配下を召喚してそいつに管理を任せる事にした。

 そいつこそ、さっき俺達が話していたワイト・キングである。そいつは一日に1000体のワイトを召還する事ができ、ワイト・キングを中心に経験や記憶を共有する事ができるらしい。

 試しに、量産がたやすいAK47アサルトライフルを持たせて撃ち方から待機の状態、マガジンの交換までを一通りの事をワイト・キングに教えた。

 すると、物の数秒で脇に控えていたワイト達が一斉にそれを始めたのには驚いた。

 そんな彼のステータスは、近距離での戦闘では不利になる事が多いが魔力やスキルの面でかなりの好成績だったので、今後は鉄道や自動車などのインフラ整備や大型の兵器の手入れ、それの操作など幅広く管理してもらう事にした。だからと言って、任せっきりにするつもりはないがな。


 そんな訳で俺達がダンジョン強化に精を出していた頃、王都では、


「何ぃ!?また、商業ギルドの拠点が増えていただと!?」

「は、はい。大小は問わず、各国の主要な流通ルートを持っている商業ギルドに呼びかけているようで・・・」

「まずい、これはまずいぞ・・・!」

 ロンメルが統治するフィレンツェ王国は周辺の国の優に上回る規模での兵力を養い、それと同時に多くの技術を独占する事で成り立ってきた王国である。そのため、技術的な優位性がなくなるとただ、兵力が多いだけの国になってしまう。

 しかも、商業ギルドは複数の国にまたがっているし、ダンジョンの外で商売を始めるのは別に特別な事ではない。それどころか、珍しいものが多く取れるダンジョンでは商業の町として栄えるため、多くの国が積極的に推進してきた事だ。それの流れを一国だけが変えるとなると、それなりの大義名分が必要になる。

 そのため、ロンメルは焦っているのだ。

「うーむ、こうなったら教団に兵力を出してもらわねば・・・!」

「しかし、陛下。教団は今、対魔王戦で連戦連敗を喫しています。今の状況で、まともな兵力を出してもらえるかわかりません」

「そんな事はわかっておる。それでも出さねばならぬだろう」

 教団というのは、聖光神マリアを信仰している一神教の団体で最も権威のある宗教といえるだろう。とは言え、冥皇竜がダンジョン強化に励んでいた1か月の間に魔王が召喚し、各地で猛威をふるっているため、需要に対して供給が追い付かずに手一杯な状況である。

 何故なら、魔王は人間に対して圧倒的な強さの将兵を召還して同時多発的に城を強襲。乗っ取っているのが現状だ。そのため、乗っ取られた城を奪還しようとして各地から兵力をかき集めている。結果、多くの国の中で1王国の要請は無視されるのが普通だ。

 そのため、ロンメルは教団を引っ張り出すために策を練っていった。


~~~~~~


 ダンジョン、執務室


「ん?王都の方で動きがある?」

「はい~。いくつかの商業ギルドが内密に教えてくださいました~」

「まぁ、正常な判断ね。これだけダンジョンが大きくなって商業ギルドがいくつも取引しているのもの」

「そういう事か。て事は、第2フェーズに移行するんだな?」

「ちょうど頃合いですね~」

 俺たちはこの1ヵ月の間、ぐうたらと過ごしてはおらず、今後の計画を練っていた。

 そのためにも周辺の国や宗教観などの情報も収集していた。その結果、わかったのは4つ。


 1つ目、森があった場所はロンメルという国王が統治しているフィレンツェ王国のものだった事。

 2つ目、この森は複数の国に狙われている事。

 3つ目、つい最近、魔王が表れて近隣諸国を略奪しまくっている事。

 4つ目、ここまで急速に発展したのだから聖光教という教団が派兵するかもしれない、という事。


 森だった場所を壁で囲ってダンジョンにした事はともかく、魔王軍は遠い話なので別にいい。しかし、どうしてこのダンジョンがそんな強大なな組織から狙われなければならんのだ。

「それは非常に簡単なことですぞ、主」

 俺が疑問に思っていると、ウィネとパイモンが答えてくれた。

「単純にここの技術力がすごいからじゃなぁ。のぅ、パイモン」

「そうですね~。オリハルコン合金の壁もそうですが、上下水道や鉄道といったインフラ整備や銃などの科学技術に関しての方が大きいです」

「そういうものかね?」

「マスターは気づいてないかもしれないけど、城壁は煉瓦で作って魔法で強化するのが一般的よ」

 どうやら、俺が当たり前にやっていた事は世間一般ではあり得ない上、桁違いの強さをアピールすることになっていたようだ。

 例えば、銃は魔法の最大交戦距離である100メートルの範囲外から攻撃できるのが当たり前だし、鉄道輸送はそれまでの補給能力を飛躍的に上げ、前世では当たり前であった現代風の上下水道の完備も都市の清潔さを保つため、他の国からは魅力的になっている。

「そうなると、外敵の撃退とともに安定的な商業ルートの確保、近隣諸国との安全保障条約が当面の目的になりそうだな」

 俺がそう話していると、


コンコン、ガチャ


「マスター、商業ギルドとの交渉が終わったー」

 俺達が今後の事を話し合っていると、疲れたバエルが帰ってきた。返事もせずに入ってきたが、ダンジョンコアと同じフロアにあるし、なんかあればその時は別の表情をするだろう。

「おつかれ、バエル。首尾はどうだ?」

「うん。今回の交渉相手であるカミール商談、戦争時でもテレポートによる物資の輸送を手伝ってくれる事を約束してくれたわ。これがその証書」

 そう言って手渡してくれたのが、大きさがA4サイズの洋紙で

『今後、いかなる状況でも取引を行う。』

 と書いてあった。その他にも色々書いてあるが、契約した日時や取引の際に守るべき条件などの細々とした物のため、割愛する。

「よし、これで交渉相手が1つ確保できた。お手柄だ、バエル」

「えへへへ~」

 俺がそう言って、バエルの頭をなでると嬉しそうに喜んでくれた。

「という事は、今後もこういった活動をしていくのですね?」

 俺がバエルをなでていると、サガンがそう聞いてきた。

「あぁ。今後は争いのために領土を拡大せず、商業とダンジョンの両方を活用して商業都市兼一大ダンジョンにしていこうと思う」

 俺はそう宣言した。そして、

「前々からソロモン72柱や召喚した魔物達から『なぜ、ここまで大規模にしたのに他の所に侵略しないのか?』と聞かれていたが俺は基本、争いは好まない。だが、だからと言って守るための技術までは捨てるつもりはない。

 そのため、銃や大砲などの科学技術をダンジョンに大量に配備しているが、それは防衛のための兵器であって侵攻するつもりもない。

 しかし、だからといって引き篭もっていたらつまらないので商業都市としての機能も付け加えた。これから先、どうなるかは分からないが無駄に死なせるつもりはないし、死にそうになったら逃げるようにしてくれ」

 俺は柄にもなく、そう言ったらバエル達は、

「それを聞いて安心したよ、マイマスター」

「これで心置きなく作戦が立てられますね~」

「ふん、マスターを傷つける奴らは全員、吹っ飛ばす!」

「ふふっ、あい分かった。主殿」

「久し振りに楽しんじゃおうか?」

 どうやら好評だったらしい。俺は本来、長々と話す性分ではなし、自分の心境を簡単には話さない。だが、ここにいるメンバーにならそんな俺の事をわかっていると思って話したし、彼女達も若干嬉しそうだ。

 頼られていると思ったんだろうな。実際にこれからは頼る事になるだろうし、状況はそういった所に持っていこうと動くだろう。ならば、ここらへんである程度の絆は深めておかないと危なそうだ。

 俺はそう思いつつ、今後の計画を練っていった。


~~~~~~


 聖光教本部、地下


 冥皇竜達が住み、拡張を続けているダンジョンから数百キロは離れているこの場所で、多くの人達が集まっていた。その理由は、魔王を撃退できる勇者の召喚をしていたからだ。

 その集団の中心には魔法陣があり、今まさに召喚しようと光り始めた。

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

 そして4人の勇者が現れた。それが彼らの希望であり、優秀な人材として期待していたが召喚された彼らの表情は、決して浮かばれるものではなかった。

 何故なら、半年前に彼らの友人が事故によって亡くなっているからだ。その友人とは、今の冥皇竜であるのだがこの時は誰も知らなかった。

「勇者達よ!よく参られた!」

 だがそんな彼らの表情を介さず、教皇は勇者達の参上を心待ちにしていたかのように声を上げた。それと同時に大勢から拍手を受けるも、戸惑いを隠せずにいる彼らを気にせずに教皇は話を続け、とある一室に招かれた。

 そこで彼らはこの世界での役割を知り、悲しみに包まれながらも己の使命に身を投じていくのだった。


 そしてそれは、冥皇竜と4人の勇者との共同戦線を張る事になるとはこの時は誰も知らないのである。

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